06/08/2026
7月27日(月)、男女共同参画推進室では、JICA四国のご協力を得て、ロールモデル講演会を開催しました。
講師には、高知大学教育学部を卒業後、高知市内の小学校で教員として勤務し、JICA海外協力隊に参加された伊丹咲さんをお招きしました。「地道に泥臭く、等身大の自分でぶつかる―ラオス北部・ウドムサイ県サイ郡での小学校教師の経験から―」と題して、ご自身の経験をお話しいただきました。
伊丹さんは、高知大学在学中に共通教育科目「国際ボランティア概論」を受講しており、当日会場で学んでいた学生たちにとっては、同じ授業を受けた先輩にあたります。
大学卒業後、伊丹さんは小学校教員として3年間勤務したのち、現職参加制度を活用してJICA海外協力隊に参加しました。ラオスの小学校では、児童や教員を対象に、体育の授業づくりや指導方法の改善に取り組みました。
活動における一つの大きなハードルは、「ラオ語」でした。文字にも音にもなじみのない言語を使って仕事をすることは、やはり容易ではなかったそうです。しかし、それ以上に苦労したのは、教育をめぐる「文化」や「考え方」の違いでした。
現地の小学校では、授業時間が90分に設定されている一方で、児童の集中力は長く続かず、教員が実際に授業を行う時間も10分程度にとどまることがありました。また、現地の実情に合っていない外国の教科書が使用され、教員同士で授業を検討する研究授業などもほとんど行われておらず、明確な目標を共有しないまま時間が過ぎていくように感じることもあったといいます。
こうした教育に対する考え方の違いに戸惑い、悩みながらも、現地の人々とともに暮らし、働くボランティアだからこそ見えること、実際にその場所へ行かなければ分からないことが、次第に見えてきました。
伊丹さんは、活動を通じて、必ずしも「成功した」という充実感を得られたわけではなかったと振り返ります。それでも、活動を終える際、同僚の先生たちから「あなたが来てくれて、一緒に過ごすことができてよかった」と声をかけられたそうです。その言葉は、目に見える成果だけでは測ることのできない、伊丹さんの活動の意味を示すものだったのではないでしょうか。
伊丹さんは、海外協力隊での経験を通じて、何が正解であったのかは今も分からないと語ります。しかし、答えのない問いを持ち続け、悩みながら考え続けた時間そのものが大切であり、これからも問い続け、考え続けていくことが重要なのだと学んだそうです。
華やかな成功談ではなく、異なる文化や価値観の中で迷い、悩みながらも、地道に、等身大の自分で人々と向き合った伊丹さんのお話は、参加した学生にとって、自らの将来や他者との関わり方を考える貴重な機会となりました。
学生、教職員、一般合わせて145名が参加しました。