20/04/2026
「実社会の解」を導き出す「経験知」の育成―新学長の方針を受けて
建築デザイン専攻 川本 聖一
建築デザイン専攻の学生は、卒業後、ハウスメーカーや建設会社をはじめ、建築を担う民間企業や官公庁へと羽ばたいていきます。私たちは、学生が在学中に確かな知識と資格を修得し、送り出し先の組織で即戦力として、また次代を担うリーダーとして活躍することを切に願っております。この度、民間企業での豊富な経験をお持ちの新学長をお迎えし、実業界が真に求める「社会に貢献できる人材」の育成について、その重要性を改めて再認識しています。
当専攻では現在、実社会の具体的な課題解決を通じて、現場での実践力を養う「地域連携プロジェクト」を推進しています。本プロジェクトは、公営住宅や空き家のリノベーション提案から施工、さらには地域特産品の活用拡大に向けた企画・実践など、学生ならではの多角的な視点を活かした活動です。これらは単なる演習の域を超え、実務に直結する業務を肌で感じる貴重な機会となっています。 昨年度の成果(写真)を礎に、今年度は「えんがわベンチプロジェクト(1年生)」「各務原市アパートリノベーション(2年生)」「山県市空き家リノベーション(3年生)」と、年次ごとに段階的な実学の場を展開する計画です。
一般に、大学教育は卒業研究等を通じて「文献知」を積み上げ、論理的思考(ロジカルシンキング)を構築する場です。しかし、これに加えて当専攻のプロジェクトでは、現場での「経験知」に基づいた「直観力」を養うことを重視しています。 図面上だけでは見えてこない、協力してくださる職人さんの真剣な表情や、依頼主が現場でふと漏らした本音の言葉。それらを敏感に感じ取る力こそが、実社会で直接役立つ力となります。
こうした「経験知」に裏打ちされた直観力を持つ人材こそが、顧客の信頼を勝ち取って「成約」を導ける設計者となり、複雑な現場を統括できるマネジメント能力を備えた施工管理者になると確信しています。地域に学び、現場に鍛えられた学生たちが、受け入れ先の組織において、なくてはならない存在として活躍していくことを願ってやみません。