立命館大学生存学研究所

立命館大学生存学研究所 「生きて在るを学ぶ」を身近に

病い、老い、障害とともに生きること。異なりをもつ身体。
それは、福祉や医療の対象である前に、人々が生きていく過程であり、生きる知恵や技法が創出される現場です。人々の経験を集積して考察し、社会との関わりを解析し、これからの生き方を構想し、あるべき世界を実現する手立てを示す──それが「生存学」です。

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。今月は阿久津美紀さんによる「歴史とケアの融合:イギリスの民間慈善団体に学ぶ社会的養育のアーカイブズ」です。「社会的養育(養護)という言葉をご存じでしょうか。児童虐待や家庭の事情で家族と離れ、...
01/07/2026

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。
今月は阿久津美紀さんによる「歴史とケアの融合:イギリスの民間慈善団体に学ぶ社会的養育のアーカイブズ」です。
「社会的養育(養護)という言葉をご存じでしょうか。児童虐待や家庭の事情で家族と離れ、公的責任の下、養育する―。私はこの社会的養育を研究の軸に据えてきました。その問題意識は、第二次世界大戦後、駐留軍兵士と日本人女性との間に生まれ、親と暮らせない子どもたちを養育するために設立された児童養護施設の所蔵資料の整理に従事した経験に始まります。
 自分の親は誰であり、どのような経緯で生まれ、そして自分は何者であるのか。自身の過去を知らずに育った人にとって、記録は自身のアイデンティティの拠り所となります。しかし、乳児院や児童養護施設など社会的養護のもとで育った人が、自身の歴史を知りたいと望みながらも記録にアクセスできず、子どもの知る権利が保障されていない現実があります。
 記録へのアクセスを困難にしている大きな要因の一つが、日本における記録の「保存年限の短さ」です。…」
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研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。今月は大橋一輝さんによる「「知的障害」とされる人とただ、ともにあること――余暇実践の場から」です。「大学3年の夏、滋賀県のとある美術館をおとずれた。昭和初期の町家を活用したその空間には、障害...
01/06/2026

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。
今月は大橋一輝さんによる「「知的障害」とされる人とただ、ともにあること――余暇実践の場から」です。

「大学3年の夏、滋賀県のとある美術館をおとずれた。昭和初期の町家を活用したその空間には、障害者の作品が展示されていた。繊細でありながらも迫力のあるドローイングの数々を前にして、ただ立ち尽くす。このとき筆者は、こんな作品を作ることができるなんて、障害者には自分にはない特別な才能があるのではないかと、無邪気に思いをめぐらせていた。
 ここでふと、かつて大学の友人から、ある活動に誘われていたことをおもいだす。彼は、「知的障害者」との毎月の余暇活動のなかで、一緒に茶道をしたり、油絵を描いたりしていると話していた。作品を制作する障害者と実際に会ってみたいと思った筆者は、今更ながらその友人にLINEでメッセージを送った。新型コロナウイルスの影響により、活動に参加できたのは11月からであった。
 活動は大学敷地内の水堀近くにある、木製のベンチや机が置かれているスペースでおこなわれていた。…」
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【イベントのお知らせ】2026年6月19日(金)17:00-19:00に立命館大学朱雀キャンパスで、Emily Mendenhall 教授(ジョージタウン大学・医療人類学)による講演会「Long COVID と「見えない病」(仮題)――In...
20/05/2026

【イベントのお知らせ】
2026年6月19日(金)17:00-19:00に立命館大学朱雀キャンパスで、Emily Mendenhall 教授(ジョージタウン大学・医療人類学)による講演会「Long COVID と「見えない病」(仮題)――Invisible Illness をめぐる歴史・社会・倫理」を開催します。
対面とオンラインで実施。英語講演・AIによる日本語翻訳あり。
ぜひみなさまご参加ください!詳細とお申し込みはコチラ↓
https://www.ritsumei-arsvi.org/news/news-6322/

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。今月は勝村久司さんによる「「陣痛促進剤被害」と「医療への患者参画」と「薬害防止教育」」です。「私は、京都教育大学の天文学教室を卒業後、大阪府立高校の理科の教員になりましたが、1990年12月...
11/05/2026

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。
今月は勝村久司さんによる「「陣痛促進剤被害」と「医療への患者参画」と「薬害防止教育」」です。
「私は、京都教育大学の天文学教室を卒業後、大阪府立高校の理科の教員になりましたが、1990年12月、一人目の子の出産の際に妻子が陣痛促進剤による医療被害に遭い、人生が一変しました。子は9日後に亡くなり、妻も一時危篤になりましたが、病院側は妻に何も言わずに陣痛促進剤を使用して、過剰投与を繰り返したり苦しみの訴えを放置したりして、無理やり出産を平日の昼間に誘導しようとして失敗した結果だということがわかり、裁判を決意しました。
 同様の陣痛促進剤被害による医療裁判は、私の妻子の事故の以前にも以後にも全国で非常に数多く提起されています。そのために、私は裁判だけではなく、同じような被害が繰り返されないための様々な市民運動にも関わるようになりました。もしも子が生きていたら…」
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研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。今月は舘澤謙蔵さんによる「「居合わせる」実践と生活空間をめぐる参与観察」です。「私はこれまで精神科病院で精神科ソーシャルワーカー(以下、PSW)として、入院患者さんの退院支援を含む様々な生活...
01/04/2026

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。
今月は舘澤謙蔵さんによる「「居合わせる」実践と生活空間をめぐる参与観察」です。
「私はこれまで精神科病院で精神科ソーシャルワーカー(以下、PSW)として、入院患者さんの退院支援を含む様々な生活上の相談援助に従事してきました。
 精神科病院は制度化された空間であり、入院患者さんの行動や言動は観察され、記録され、治療・支援の対象となります。入院患者さんも病院スタッフも活動・言動・役割・関係性等が規定されています。たとえば、入院患者さんの側でいえば、入浴・食事・洗濯・買い物・服薬・面会・外出等の時間や方法、あるいは患者とスタッフの関係にまで制約が及び、病院スタッフの側でいえば、専門性、業務・責任の範囲、カルテの書き方・保存方法、スタッフ間の関係、賃金等について、あらかじめ定められた規定があります…」

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 私はこれまで精神科病院で精神科ソーシャルワーカー(以下、PSW)として、入院患者さんの退院支援を含む様々な生活上の相談援助に従事してきました。

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。今月は栗川治さんによる「「能力の社会モデル」の視座からの「異在労働同一賃金」の展望 ──障害教員運動史が示す「異なる在り方」の社会」です。「「能力」の問題は厄介です。障害者の就学や就労におい...
02/03/2026

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。
今月は栗川治さんによる「「能力の社会モデル」の視座からの「異在労働同一賃金」の展望 ──障害教員運動史が示す「異なる在り方」の社会」です。

「「能力」の問題は厄介です。障害者の就学や就労においては、「能力」という言葉がふるいとなって差別を生み出してきました。たとえば「○○ができる(能力がある)」ことが教育や労働の現場に参入する際の条件とされ、能力がない(低い)と見なされる障害者の排除が正当化されてきました。こうした考え方は、「能力主義(meritocracy)」が「健常者中心主義(ablism)」として障害者運動のなかでも批判されてきました。しかし一方で、労働には「人間が自らの生存を維持し豊富化させていくために、意識的に自然界に働きかけて有用な価値を形成する基本的な営為」という意味があります。生存のために有用な価値(よい物、よいサービス)が生産されることは、その受益者(消費者)にとってはよいことであり、その価値を産み出す「能力」も賞揚されることになります・・・」

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研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。1月は曲虹霖さんによる「尿管で結ばれた産科婦人科の歴史:川添正道と彼の台湾時代」です。「私たちが当たり前のように口にする「産婦人科」という診療科は、いかにして自らを一つの専門分野として確立し...
03/02/2026

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。
1月は曲虹霖さんによる「尿管で結ばれた産科婦人科の歴史:川添正道と彼の台湾時代」です。
「私たちが当たり前のように口にする「産婦人科」という診療科は、いかにして自らを一つの専門分野として確立したのでしょうか。出産を扱う「産科」と、女性特有の疾患を診る「婦人科」。今でこそ両者は一体として認識されていますが、その歴史は、既存の枠組みを組み替え、新たな領域への道筋を開拓してきた闘争の軌跡そのものでした。とりわけ「婦人科」は、長い間、独立した領域として扱われていませんでした。明治初期の日本において、婦人科の手術は外科の領域に属するものとされていたのです・・・」
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研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。2月は酒向渓一郎さんによる「花嫁は贈り物か商品か――東スンバの婚姻儀礼と婚資交換から」です。「インドネシア東部には、大小さまざまな島々が点在する。バリ島で飛行機を乗り継ぎ、さらに東へ向かうこ...
03/02/2026

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。
2月は酒向渓一郎さんによる「花嫁は贈り物か商品か――東スンバの婚姻儀礼と婚資交換から」です。
「インドネシア東部には、大小さまざまな島々が点在する。バリ島で飛行機を乗り継ぎ、さらに東へ向かうこと1時間、スンバ島が見えてくる。島に近づくにつれ機窓からは赤茶けた大地が広がって見える。ただし、これは乾季の景観であり、雨季になると一転して島は緑に覆われ、その印象は大きく変わる。この島が筆者の調査地である。筆者はこれまで、スンバ島東部地域における慣習儀礼や、同地域の社会階層における貴族と奴隷の関係について調査を進めてきた。東スンバの慣習儀礼のなかでも、とりわけ重要なのが婚姻儀礼である・・・」
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研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。今月は谷田朋美さんによる「病んだ体で強者かもしれず、死んでいないので生きていかざるを得ないグレーな二人が綴る往復書簡―『あしたの朝頭痛がありませんように』(現代書館、2025)」です。「一見...
02/12/2025

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。
今月は谷田朋美さんによる「病んだ体で強者かもしれず、死んでいないので生きていかざるを得ないグレーな二人が綴る往復書簡―『あしたの朝頭痛がありませんように』(現代書館、2025)」です。

「一見、「健康体」だけど、頭痛やだるさ、めまいが常にある。命に別状はないけれど、学業や仕事、家庭生活など、あらゆる場面で「ちゃんと」ふるまえず、「怠けている」「甘えている」と言われてきた。慢性疾患の人間はどうしてこんなに生きづらいのか。この社会で慢性疾患を生きるってどういうこと?
 子供の頃に脳腫瘍で開頭手術を受け、汎下垂体機能低下症を患う弁護士の青木志帆さんと、15歳から24時間365日体調不良が続くものの、診断がなかなかつかない新聞記者の谷田が、そんなもやもやを語りつくした往復書簡が本書です・・・」
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等持院北町56/1
Kyoto-shi, Kyoto
603-8577

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