立命館大学生存学研究所

立命館大学生存学研究所 「生きて在るを学ぶ」を身近に

病い、老い、障害とともに生きること。異なりをもつ身体。
それは、福祉や医療の対象である前に、人々が生きていく過程であり、生きる知恵や技法が創出される現場です。人々の経験を集積して考察し、社会との関わりを解析し、これからの生き方を構想し、あるべき世界を実現する手立てを示す──それが「生存学」です。

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。今月は舘澤謙蔵さんによる「「居合わせる」実践と生活空間をめぐる参与観察」です。「私はこれまで精神科病院で精神科ソーシャルワーカー(以下、PSW)として、入院患者さんの退院支援を含む様々な生活...
01/04/2026

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。
今月は舘澤謙蔵さんによる「「居合わせる」実践と生活空間をめぐる参与観察」です。
「私はこれまで精神科病院で精神科ソーシャルワーカー(以下、PSW)として、入院患者さんの退院支援を含む様々な生活上の相談援助に従事してきました。
 精神科病院は制度化された空間であり、入院患者さんの行動や言動は観察され、記録され、治療・支援の対象となります。入院患者さんも病院スタッフも活動・言動・役割・関係性等が規定されています。たとえば、入院患者さんの側でいえば、入浴・食事・洗濯・買い物・服薬・面会・外出等の時間や方法、あるいは患者とスタッフの関係にまで制約が及び、病院スタッフの側でいえば、専門性、業務・責任の範囲、カルテの書き方・保存方法、スタッフ間の関係、賃金等について、あらかじめ定められた規定があります…」

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 私はこれまで精神科病院で精神科ソーシャルワーカー(以下、PSW)として、入院患者さんの退院支援を含む様々な生活上の相談援助に従事してきました。

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。今月は栗川治さんによる「「能力の社会モデル」の視座からの「異在労働同一賃金」の展望 ──障害教員運動史が示す「異なる在り方」の社会」です。「「能力」の問題は厄介です。障害者の就学や就労におい...
02/03/2026

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。
今月は栗川治さんによる「「能力の社会モデル」の視座からの「異在労働同一賃金」の展望 ──障害教員運動史が示す「異なる在り方」の社会」です。

「「能力」の問題は厄介です。障害者の就学や就労においては、「能力」という言葉がふるいとなって差別を生み出してきました。たとえば「○○ができる(能力がある)」ことが教育や労働の現場に参入する際の条件とされ、能力がない(低い)と見なされる障害者の排除が正当化されてきました。こうした考え方は、「能力主義(meritocracy)」が「健常者中心主義(ablism)」として障害者運動のなかでも批判されてきました。しかし一方で、労働には「人間が自らの生存を維持し豊富化させていくために、意識的に自然界に働きかけて有用な価値を形成する基本的な営為」という意味があります。生存のために有用な価値(よい物、よいサービス)が生産されることは、その受益者(消費者)にとってはよいことであり、その価値を産み出す「能力」も賞揚されることになります・・・」

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研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。1月は曲虹霖さんによる「尿管で結ばれた産科婦人科の歴史:川添正道と彼の台湾時代」です。「私たちが当たり前のように口にする「産婦人科」という診療科は、いかにして自らを一つの専門分野として確立し...
03/02/2026

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。
1月は曲虹霖さんによる「尿管で結ばれた産科婦人科の歴史:川添正道と彼の台湾時代」です。
「私たちが当たり前のように口にする「産婦人科」という診療科は、いかにして自らを一つの専門分野として確立したのでしょうか。出産を扱う「産科」と、女性特有の疾患を診る「婦人科」。今でこそ両者は一体として認識されていますが、その歴史は、既存の枠組みを組み替え、新たな領域への道筋を開拓してきた闘争の軌跡そのものでした。とりわけ「婦人科」は、長い間、独立した領域として扱われていませんでした。明治初期の日本において、婦人科の手術は外科の領域に属するものとされていたのです・・・」
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研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。2月は酒向渓一郎さんによる「花嫁は贈り物か商品か――東スンバの婚姻儀礼と婚資交換から」です。「インドネシア東部には、大小さまざまな島々が点在する。バリ島で飛行機を乗り継ぎ、さらに東へ向かうこ...
03/02/2026

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。
2月は酒向渓一郎さんによる「花嫁は贈り物か商品か――東スンバの婚姻儀礼と婚資交換から」です。
「インドネシア東部には、大小さまざまな島々が点在する。バリ島で飛行機を乗り継ぎ、さらに東へ向かうこと1時間、スンバ島が見えてくる。島に近づくにつれ機窓からは赤茶けた大地が広がって見える。ただし、これは乾季の景観であり、雨季になると一転して島は緑に覆われ、その印象は大きく変わる。この島が筆者の調査地である。筆者はこれまで、スンバ島東部地域における慣習儀礼や、同地域の社会階層における貴族と奴隷の関係について調査を進めてきた。東スンバの慣習儀礼のなかでも、とりわけ重要なのが婚姻儀礼である・・・」
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研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。今月は谷田朋美さんによる「病んだ体で強者かもしれず、死んでいないので生きていかざるを得ないグレーな二人が綴る往復書簡―『あしたの朝頭痛がありませんように』(現代書館、2025)」です。「一見...
02/12/2025

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。
今月は谷田朋美さんによる「病んだ体で強者かもしれず、死んでいないので生きていかざるを得ないグレーな二人が綴る往復書簡―『あしたの朝頭痛がありませんように』(現代書館、2025)」です。

「一見、「健康体」だけど、頭痛やだるさ、めまいが常にある。命に別状はないけれど、学業や仕事、家庭生活など、あらゆる場面で「ちゃんと」ふるまえず、「怠けている」「甘えている」と言われてきた。慢性疾患の人間はどうしてこんなに生きづらいのか。この社会で慢性疾患を生きるってどういうこと?
 子供の頃に脳腫瘍で開頭手術を受け、汎下垂体機能低下症を患う弁護士の青木志帆さんと、15歳から24時間365日体調不良が続くものの、診断がなかなかつかない新聞記者の谷田が、そんなもやもやを語りつくした往復書簡が本書です・・・」
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研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。今月は坂本唯さんによる「福島原発事故をどう伝えるか――市民による語り直しと継承」です。「2011年3月12日、東京電力福島第一原子力発電所の原子炉が水素爆発を起こした。マグニチュード9.0の...
02/11/2025

研究の現場が更新されましたのでお知らせいたします。
今月は坂本唯さんによる「福島原発事故をどう伝えるか――市民による語り直しと継承」です。
「2011年3月12日、東京電力福島第一原子力発電所の原子炉が水素爆発を起こした。マグニチュード9.0の地震と津波により損傷を受けた原子炉は、大量の放射性物質を東日本の広範囲と太平洋に拡散させた。私が原発事故の最も深刻な被害を受けた地域を訪れたのは、それから7年後のことだった。事故を起こした原子炉から直線で30~40㎞離れた場所にある高齢者施設を訪れた際のことである。ある女性は「原発は爆発して怖かったけど、遠くまで避難するなんて大げさよ」と語った。その言葉に一瞬、私自身の理解が揺らいだ…」
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研修の現場が更新されましたのでお知らせします。今月は高雅郁さんによる「地域でふつうに暮らすためは誰の手に――『こんな夜更けにバナナかよ』から台湾の介助制度を見つめる」です。「『こんな夜更けにバナナかよ――愛しき実話』という映画は、2018年...
03/10/2025

研修の現場が更新されましたのでお知らせします。今月は高雅郁さんによる「地域でふつうに暮らすためは誰の手に――『こんな夜更けにバナナかよ』から台湾の介助制度を見つめる」です。

「『こんな夜更けにバナナかよ――愛しき実話』という映画は、2018年12月末に日本で公開された。これは、渡辺一史氏によるノンフィクション書籍『こんな夜更けにバナナかよ――筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち』(2003年初版(北海道新聞社)発行)を原作とする作品である。物語の主人公は、北海道札幌市でボランティアに支えられながら地域で暮らしていた進行性筋ジストロフィー患者の鹿野靖明氏(1959年生まれ、2002年逝去)だ。
映画には観客の「感動」を引き出す演出が含まれているが、日常的に介助を必要とする、いわゆる「障害者」の生活は、必ずしも感動の対象として描かれるべきものではない・・・」

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研究の現場が更新されましたのでお知らせします。今月は中村雅也さんによる「12人のライフヒストリーで置き去りにされた教育史を浮き彫りにする ―『教師という希望 ―視覚障害教師の50年史―』(学文社、2025年)―」です。「記憶は伝承すれば物語...
01/09/2025

研究の現場が更新されましたのでお知らせします。今月は中村雅也さんによる「12人のライフヒストリーで置き去りにされた教育史を浮き彫りにする ―『教師という希望 ―視覚障害教師の50年史―』(学文社、2025年)―」です。
「記憶は伝承すれば物語や歴史になるが、放置すれば忘却され、あったということさえも知られなくなる。本書の目的は視覚障害教師たちの記憶を書きとどめ、置き去りにされた事実を教育史に位置づけることである。本書は教員採用において障害者を欠格とする内規が存在した1970年代から障害のある教師の雇用に合理的配慮が義務づけられている現在までの50年にわたる視覚障害教師の記録である。記録の本筋は12人の視覚障害教師のライフヒストリーだ。この12人のライフヒストリーに関連して、さらに19人の視覚障害教師の個人史を本筋を補強する史料として織り込んだ…」
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29/08/2025

当研究所企画により、10月4日(土)に立命館土曜講座公開講演会 「「生存学」ってなに?」を開催いたします。
 「生存学」ってなに?と思ってらっしゃる方も多いのではないでしょうか。今回、研究所長の美馬達哉をはじめ、研究所メンバーが「生存学」を多面的に語ります。「生存学」について考える機会として是非ご参加ください。
 詳細とお申し込みは、下記ページ↓をご参照ください。

9月17日(水)に、当研究所主催 トークセッション 第4回「生存学の天窓」を開催します。 今回は、日本の精神医療や精神障害者にかんする法や制度の改革に尽力した広田伊蘇夫先生の資料をとりあげます。今回はその資料の寄贈に関わってくださった木村朋...
29/08/2025

9月17日(水)に、当研究所主催 トークセッション 第4回「生存学の天窓」を開催します。
 今回は、日本の精神医療や精神障害者にかんする法や制度の改革に尽力した広田伊蘇夫先生の資料をとりあげます。今回はその資料の寄贈に関わってくださった木村朋子さんをお招きし、寄贈に至る経緯についてお話しいただきます。
 詳しくはリンク先↓をご参照ください。
 ご参加をお待ちしております。

開催日:2025年 9月17日(水) 15~16時 講師:木村朋子(精神科ソーシャルワーカー/元松沢病院勤務) 参加方法:対面とオンライン(要事前申込み) 会場:立命館大学衣笠キャンパス創思館 生存学研究所書庫 https://www.rits...

「研究の現場」が更新されましたのでお知らせします。今月は加藤このみさんによる「物語ること、応答すること——刑務所演劇の実践から」です。「私は、刑務所で行われる演劇創作活動の実践を事例として、その活動に関わる人々の紡ぐ「語り」に着目した研究を...
01/08/2025

「研究の現場」が更新されましたのでお知らせします。
今月は加藤このみさんによる「物語ること、応答すること——刑務所演劇の実践から」です。
「私は、刑務所で行われる演劇創作活動の実践を事例として、その活動に関わる人々の紡ぐ「語り」に着目した研究を行っている。刑務所で演劇を観劇するとき、持ち込めるのは顔写真付きの身分証明書とチケットのみである。荷物をすべてロッカーに預け、麻薬探知犬に足元を嗅がれ、複数名ずつ車に乗り込み、劇場 —普段は体育館として使われている建物—へ向かう。一歩劇場に足を踏み入れれば、ギターの音色と珈琲の香り、そして高揚した人々の声に迎え入れられる…」
続きはリンク先↓からお読みください。

私は、刑務所で行われる演劇創作活動の実践を事例として、その活動に関わる人々の紡ぐ「語り」に着目した研究を行っている。刑務所で演劇を観劇するとき、持ち込めるのは顔写真付きの身分証明書とチケットのみである...

研究の現場が更新されましたのでお知らせします。今月は平田恭子さんによる「視覚に障がいのある女性たちの妊娠・出産・子育て―母になった日、母になっていく日々」です。「視覚に障がいのある妊産婦へのケアとは、何を意味し、いかなる実践が求められるのか...
14/07/2025

研究の現場が更新されましたのでお知らせします。
今月は平田恭子さんによる「視覚に障がいのある女性たちの妊娠・出産・子育て―母になった日、母になっていく日々」です。
「視覚に障がいのある妊産婦へのケアとは、何を意味し、いかなる実践が求められるのか―。この問いは、ある全盲の夫婦と出産の場で出会ったことを契機に、私の内に深く芽生えました。以来、私はこの問いに正面から向き合うべく、インタビュー調査を重ね、その成果を立命館大学大学院先端総合学術研究科に博士論文として提出しました。そして、それをもとに、2025年2月、生活書院より『視覚に障がいのある女性たちの妊娠・出産・子育て――母になった日、母になっていく日々』を上梓いたしました・・・」
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等持院北町56/1
Kyoto-shi, Kyoto
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