秋田公立美術大学 アーツ&ルーツ専攻

秋田公立美術大学 アーツ&ルーツ専攻 アーツ&ルーツ専攻では、様々なメディアの素材技法(表現媒体)を使って、「歴史」および「地域」を芸術表現の源泉とした作品づくりをおこないます。

秋田は桜の蕾が膨らみ、やっと咲きはじめようかという季節になりました。アーツ& ルーツ専攻では、久しぶりの講義室での対面授業で藤先生がアートプロジェクト演習の講義をしています。この授業では、学生たちが全国で行われている芸術祭やプロジェクトにア...
14/04/2022

秋田は桜の蕾が膨らみ、やっと咲きはじめようかという季節になりました。
アーツ& ルーツ専攻では、久しぶりの講義室での対面授業で藤先生がアートプロジェクト演習の講義をしています。この授業では、学生たちが全国で行われている芸術祭やプロジェクトにアーティストやスタッフとして入り込み、その芸術祭やプロジェクトをリサーチする授業になります。全国の芸術祭やプロジェクトを学生たちが丸裸にしていきます。

【 ARアーティストファイル2022 】《 握手でばいばいばい 》 石田 愛莉 "祖母と私の関係を、祖母が過去に身につけていた衣類を使用し作品にしました。祖母が癌になり手術をしたことがきっかけで、いつか大切な人が居なくなってしまう怖さ、忘れ...
30/03/2022

【 ARアーティストファイル2022 】

《 握手でばいばいばい 》 
石田 愛莉

"祖母と私の関係を、祖母が過去に身につけていた衣類を使用し作品にしました。祖母が癌になり手術をしたことがきっかけで、いつか大切な人が居なくなってしまう怖さ、忘れてしまい忘れられてしまう怖さが現実味を帯びてきました。
幼い頃、祖母の隣を占領して編み物や縫い物をして遊ぶ日々を送っていました。祖母から教えて貰ったことが、私の制作のベースとなっています。
私は祖母のように強くて優しい人になりたい。
おばあちゃん、大好きだよ。ずっと大好きだよ。"

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2020年4月、石田さんは倉敷の大学から編入し秋田に来た。ちょうどコロナ禍に入った時期であり、外出制限や授業のほとんどはオンラインとなり見知らぬ地での生活と制作はとても困難な状況であったことがわかる。人とのコミュニケーションもままならない中、専攻での制作と活動を開始。1年に数回ある展示の機会の中で、元々行って来た服飾の素材を介した制作からの展開が始まる。学外での活動が存分に出来ない中、身近な素材感から表現を見出すように、制作を続けた。専攻の仲間の制作もきっと刺激になったであろう。箍を外し皆好き勝手何をやってもいいのだと。主体的に自身が何に取り組むべきかは、アーツ&ルーツ専攻で最も大切なところで、石田さんも自身の表現の元をしっかりと意識して深掘りしていたと思う。自然と。そして、自身のルーツを確かめるように、祖母との関係から今やりたいこと感じたことからの素直な表現にたどり着いた。そう、祖母との手紙のやり取り、祖母の服をそばに置きそれを作品にして独自のハートフルなコミュニケーションを生み出すことで、安らぎを得ていたようにも感じる。
衣服を解体し縫い重ねてつなげ形にして空間に配置する。様々な場所に移動し展示を繰り返しながら作品はどんどん大きくなっている。祖母との思いが形になっていくように、有機的に増殖する布は今を生きている証のような特別な作品となった。金沢美術工芸大学大学院に進学が決まり、新たな挑戦にエールを送りたい!

評者:村山修二郎

【 ARアーティストファイル2022 】《 KEMONOGAWA 》 藤原 さくら"布の形状やテクスチャを薬剤や膠によって変化させることで、「けもの」が標本・剥製となる際に削ぎ落とされる肉と油を再度布に付与して「けもの」に戻す実験をした作品...
30/03/2022

【 ARアーティストファイル2022 】

《 KEMONOGAWA 》 
藤原 さくら

"布の形状やテクスチャを薬剤や膠によって変化させることで、「けもの」が標本・剥製となる際に削ぎ落とされる肉と油を再度布に付与して「けもの」に戻す実験をした作品。
実際に標本作成に使用されるアセトンを使用した写真の転写と皮から煮出される膠を使用し、標本作成と逆の手順を踏んでいる。"

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1、2年生の頃から立体制作に非凡な才能を発揮していた作者ですが、アーツ&ルーツ専攻に所属してからは、なかなか作品としては結実せず、歯痒い日々を過ごしていたのではないかと思います。本人のナイーブな側面やリサーチしてきた出来事は、作品の中に写真の痕跡として幾重にも重ねられ、それがまた作品に深みを与えているのだと思います
狩猟に興味を持ち、時には鹿の解体に加わり、“ニカワ”に注目するようになりました。それからは作者なりの作品を生み出す、実験の日々であったと思います。
秋田で過ごし、感じた日々の大切さを、今後の人生に生かして行って欲しいと思います

評者:皆川 嘉博

【 ARアーティストファイル2022 】《 南無三十六童子 》 佐々木 美有===========================優しく純粋な弟をいつまでも守りたいという強い気持ちが常に佐々木を突き動かしてきた。弟に寄り添うように制作を続け...
30/03/2022

【 ARアーティストファイル2022 】

《 南無三十六童子 》 
佐々木 美有

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優しく純粋な弟をいつまでも守りたいという強い気持ちが常に佐々木を突き動かしてきた。弟に寄り添うように制作を続けてきた彼女が今回取り組んだのが、この三十六童子の制作だ。弟はいつも『南無三十六童子』を唱えているという。佐々木は、不動明王の眷属である童子像を、石粉粘土で一体一体丁寧に制作した。像たちはマニキュアやビーズで装飾され、蓮を模した透明なガラスの台座に設置された。全てが煌めく。クリスタルのように。
弟は生まれた時に、ある占い師から「この子はクリスタルチルドレンだ」と告げられたという。そのことに佐々木は感銘を受け、ずっと意識してきた。
弟を想い制作した像たちの頭上には、佐々木自身が独鈷杵の化身に扮した巨大な写真が展示されている。煩悩を打ち砕くとされる密教法具の独鈷杵。佐々木は、それを「三十六童子を束ねる存在」だと言う。
三十六童子、クリスタルチルドレン、独鈷杵の化身……情報量が多すぎて目眩がする。しかし、霊力に溢れる佐々木は、それらを飛躍的に結びつける。それが心地よい。
作品からは、佐々木が弟を守っているだけではなく、実はある意味においてそのクリスタルチルドレンに支えられている彼女自身の姿が見えてくる。

評者:唐澤太輔

【 ARアーティストファイル2022 】《 夢の箱庭 》 岩﨑 有紗"悪夢を題材にしたノベルゲーム。プレイヤーが操作する女の子のリコと、夢を食べるバクであるムムさんが、すいみん屋に訪れた依頼人の悩みを解決していく話。依頼人と話し悩みを引き出...
30/03/2022

【 ARアーティストファイル2022 】

《 夢の箱庭 》 
岩﨑 有紗

"悪夢を題材にしたノベルゲーム。プレイヤーが操作する女の子のリコと、夢を食べるバクであるムムさんが、すいみん屋に訪れた依頼人の悩みを解決していく話。依頼人と話し悩みを引き出した後、依頼人の夢の中に入りムムさんが食べる夢を選び、食べた夢によって結末が変化する。
夢は無意識に関わるものである、という点から着想を得て『忘れる事はいけないことなのか。全てと向き合わなくてはいけないのか』という問いを軸に、物語を構成している。"

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普通「忘れる」ことは良くないとされる。では、なぜ人は長い進化の過程で完全記憶能力を獲得しなかったのか。おそらくそれは、「忘れる」ということが生きていく上で極めて重要な事柄だからだろう。人は「忘れる」からこそ前に進める。とは言え、いつも私たちは「忘れる」ことに後ろめたさを感じている。
忘れたい悪夢。それは本当に忘れてもいいものか。もし完全に忘れてしまった場合、日常生活にも何かしら影響が出るかもしれない。このような疑問を持った岩崎は、バクに悪夢を食べてもらうことをテーマに、ノベルゲームを制作した。
岩崎は「悪夢やつらい思い出は忘れても良い」と言う。しかし、「単に忘れるのではなく現実世界における関係性を大事にしながら」という注釈をつける。つらい記憶に潰されることなく、軽やかに関係性を構築し続けることが重要ということであろう。ここには彼女の願望が込められている。実際にはそれは、とても難しいことだ。
ノベルゲームには10のエンディングがある。ほとんどがバッドエンドだ。岩崎が用意した唯一のハッピーエンドは、バクに悪夢を喰われながらも現実世界における他者との関係性に視線を向けた者だけに与えられる。

評者:唐澤太輔

【 ARアーティストファイル2022 】《 滞留記録 》 須川麻由子" 本研究は、公共空間の利用者の動向とその自由度を研究しつつ、自身が滞留者となって広場性(散策や休憩、 交流を行う都市における憩いの場としての機能)を想起させることを目的と...
29/03/2022

【 ARアーティストファイル2022 】

《 滞留記録 》 
須川麻由子

" 本研究は、公共空間の利用者の動向とその自由度を研究しつつ、自身が滞留者となって広場性(散策や休憩、 交流を行う都市における憩いの場としての機能)を想起させることを目的とする。
秋田駅周辺の公共空間で利用者を観察し、人々の反応を規則性に沿って織りに反映させた。
作者が場に滞在しながら行った活動をきっかけに、利用者の動向がどう変化するかをリアルタイムの記録として綴った。"

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須川は公共空間がつくられた経緯や管理上の規制と、その利用者の行動、利用状況への興味からさまざまな研究と制作を模索してきた。複雑な都市の成り立ちや制度に直面しながら、個人の振る舞いを誘発させる些細な感情の変化に向き合い、何らかの形にしようと試みる。このような手工芸的な手法で作品化するとは。驚いた。須川自身が施した広場での仕掛けに対する通行人のリアクションの差異を、オリジナルの織り機を使って糸を織る行為のデモンストレーションによって時間の経過をも形に組み込む。人の行為のアルゴリズムの視覚化を数値化や映像化としてではなく、工芸作品として具現化している点が興味深い。この先の展開がとても気になる。さまざまな現場に関わり、緩やかな思考と実践を育んでほしいと願います。

評者:藤浩志

【 ARアーティストファイル2022 】《 私はこんにゃくの花、こんにゃく・の花でありたい。 》 黒木美佑"ここはどこか生活の延長にある土地。そこに、一軒の小屋があった。そこに棲むのは「Japanese」(であるらしい)。彼女は日本語らしき...
29/03/2022

【 ARアーティストファイル2022 】

《 私はこんにゃくの花、こんにゃく・の花でありたい。 》 
黒木美佑

"ここはどこか生活の延長にある土地。そこに、一軒の小屋があった。そこに棲むのは「Japanese」(であるらしい)。彼女は日本語らしき言語を話し、日本の物らしき物を着て、日本のものらしき仕草をする。だけれど彼女が「Japanese」である確証など、誰にも得られないのだ。彼女は「Japanese」としてある前に、彼女自身として、こんにゃくの花であることを望んでいた。"

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私とは、私たちとは誰か? 黒木は旅を続け、自己/他者を見つめ、憑依するように歌い、物語をつむぐ。インドネシアでの異文化との出会いから、彼女は日本各地にマイノリティーとして暮らすさまざまな「外国人」についての調査を進め、そこでの具体的な発見を、多様なメディアを通して作品化してきた。彼女は、「他者」の喜びや苦悩に触れ、したたかで人間臭い生き様や思想・信仰に刺激を受けつつ、パフォーマンス・歌・映像・描画・刺繍・物語創作といった多岐にわたる手段を駆使しながら、どこか懐かしい、時空を超えた「もう一つのアジア」の可能態を取り出し、爆発的に表出させる。
日本に滞在する多様な「外国人」の視点は、彼ら自身の経済的・社会的・政治的属性として分析されることなく、黒木自身の切実な物語として、深く内面化されている。ユーモラスで錯雑としたエネルギーを放つ黒木の作品は、私たち自身の国籍や属性の根拠を深く問い返し、無意識に潜む純粋な愛や怒りの感情と出会い直す契機を提供してくれるだろう。「こんにゃくの花」は、単なる比喩的なイメージなどではない。それは、日本列島の内なるルーツとして、猥雑で愛すべきアジアの歴史的生命と出会い直す、新たな逸脱的表現の狼煙である。

評者:石倉敏明

【 ARアーティストファイル2022 】《 Freedom 》 角田陽菜"専攻に所属してから太陽をモチーフとして、その当時や過去に抱いていた感情などを表現する作品を制作してきた。宇宙の中でも太陽を選択してきた理由として、想像がしやすい・自分...
29/03/2022

【 ARアーティストファイル2022 】

《 Freedom 》 
角田陽菜

"専攻に所属してから太陽をモチーフとして、その当時や過去に抱いていた感情などを表現する作品を制作してきた。宇宙の中でも太陽を選択してきた理由として、想像がしやすい・自分の名前に太陽の陽という字があり、近しいものを感じていたから等がある。
卒業研究(作品)は、太陽をシンボルとした記号について調べ、それを参考に自分のシンボルを制作した。太陽をモチーフとして、過去・現在・未来への私の想いを詰めたインスタレーション作品になっている。"

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一貫して“太陽”に着目し、制作を続けてきた作者です。そういう面では、自身の信念を貫きました。初めは1枚の絵画から発展していった作品は、時には立体となり、最終的には卒研のレルーフ状に発展しました。最初は赤い太陽。そこから次々と変化し、卒研は一見したら太陽それ自体は感じず、朝焼けや、夕暮れ時の空気感を漂わせました。
関東出身の作者にとって、秋田の日本一短いといわれる日照時間は、衝撃であったでしょうし、なおさら、太陽=陽奈(自分)を見つめる機会になったのではないでしょうか。
そしてこの卒業こそが、本人が勝ち取った自由:freedomであったのでしょう。

評者:皆川 嘉博

【 ARアーティストファイル2022 】《 還軻孵遇 》 齋藤 明日香"テーマは【生と死の普遍性】・【自分の口癖である""かえりたい""の追求】。命あるものはいつか死ぬ。だから私たちは何があろうと、いつか来る終わりまで、必死に今を生き抜こう...
25/03/2022

【 ARアーティストファイル2022 】
《 還軻孵遇 》 
齋藤 明日香

"テーマは【生と死の普遍性】・【自分の口癖である""かえりたい""の追求】。
命あるものはいつか死ぬ。
だから私たちは何があろうと、いつか来る終わりまで、必死に今を生き抜こうとしている。
苦しくて辛くて「死にたい」と感じるのは、きっとそれだけ「生きたい」ということなのだと私は考える。

私たちは孵り、還りゆくものである。
どうせいつか死ぬのなら、最期まで後味良く散ろうじゃないか。

この作品は、そんな生と死の普遍性から、足掻きながらも今生きているこの瞬間への希望を込めて制作した。"

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作品が確かに呼吸をしている。茜で染められた布は形状記憶による技法で造形され、臓器のようで花弁のような異彩を放つ美しい作品である。山形出身の作者は、2年生の頃に傘福などの郷里の風習に惹かれリサーチや制作体験を重ね、手づくりの魅力や素材の理解を深めた。3年生になり「胎内回帰」「生まれ変わり」など、生きていることへの問いを手探りしながら表現の中で向き合ってきた。そして、生きていることへの切実な自問から自身の根底にある郷里の民芸につながる朱であったり、現在の生を想起させる赤を用いた染色手法にたどり着いた。様々な経験から得た作者の姿勢や生の情熱が如実に表現された秀作と言える。
追伸で、山形地元の風土に改めて触れてゆっくり呼吸をしながら歩いて地物を食べて。そして多くの人と出会って素直に楽しんで活き活きと行きましょう!

評者:村山修二郎

【 ARアーティストファイル2022 】《 油屋Season2 》 田村 久留美"「油を売る」、それは何かやるべきことの最中に無駄話などをして怠けること。晴れた日の昼間に、秋田駅前アゴラ広場にて、『油屋』を行った。公共空間であるアゴラ広場で...
25/03/2022

【 ARアーティストファイル2022 】

《 油屋Season2 》 
田村 久留美

"「油を売る」、それは何かやるべきことの最中に無駄話などをして怠けること。
晴れた日の昼間に、秋田駅前アゴラ広場にて、『油屋』を行った。公共空間であるアゴラ広場で、『油屋』というハプニングを起こすことにより、場の可能性や余白を探り、周囲の人の思考や行動を活性化しようと試みた。"

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サブスクリプションサービスの日常化と無関係ではないのかもしれない。公共(パブリック)あるいは共有(コモンズ)についての問題意識へアプローチする表現作品としてとしても興味深い。近代の資本主義社会が個人あるいは法人の所有を前提として成長してきた地域社会への違和感を「油を売る」という突拍子もない行為に焦点を当て、体当たりで表現しているようで魅力的。都市空間に共有の場だけではなく、空所(VOID)な時間を、最低限の装置と仕草で導き出そうと試みる表現者としての態度に大きな可能性を感じています。

評者:藤浩志

【 ARアーティストファイル2022 】《 卒展失敗の為の洗脳実験 》 杉澤 奈津子"失敗するために立てた目標の達成に失敗しても、失敗するのに成功したことになってしまい、成功という不純物のある失敗しか入手できない。『純粋な失敗』を獲得するた...
25/03/2022

【 ARアーティストファイル2022 】

《 卒展失敗の為の洗脳実験 》 
杉澤 奈津子

"失敗するために立てた目標の達成に失敗しても、失敗するのに成功したことになってしまい、成功という不純物のある失敗しか入手できない。『純粋な失敗』を獲得するためには、「失敗した」という虚偽記憶を作り出す必要がある。
卒展開催中、洗脳装置を用いて「卒展で失敗した」という偽の記憶を自身に埋め込む。この実験に成功すれば「実験に成功した」という記憶は上書きされ『純粋な失敗』のみが脳内に残るはずである。"

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「敢えての失敗作品」を目標とする「失敗実験」シリーズ。作者は、失敗するために高すぎる目標を掲げ、自ら発明した難読文字を使って小説を執筆。不思議なキャラクターや不協和音をアレンジして、小説をもとに「失敗するアニメーション作品」を制作してきた。卒業制作ではさらに、洗脳装置を使って失敗の記憶を自身に埋め込もうとする。果たして作者は、失敗することに成功するのか、それとも失敗することに失敗し続けるのか。スリリングな実験に巻き込まれた鑑賞者は、知らないうちに二項対立を超えた迷宮に引き込まれる。作者はこの(不)可能な実験に「大失敗」することにより、前人未到の表現領域を切りひらくことに「大成功」してしまうのではないかと、思わず心配したくなる快作=怪作である。

評者:石倉敏明

住所

新屋大川町12番3号
Akita-shi, Akita
010-1632

営業時間

月曜日 09:00 - 17:00
火曜日 09:00 - 17:00
水曜日 09:00 - 17:00
木曜日 09:00 - 17:00
金曜日 09:00 - 17:00

電話番号

+81188888100

ウェブサイト

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