21/08/2026
《東大さんぽ 〜ベルツ・スクリバ像〜》
猛暑・酷暑が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
東大病院前の道路を挟んだ向かい側に、エルヴィン・フォン・ベルツとユリウス・カール・スクリバの胸像があります。
二人はドイツから来日し、この東大で日本の近代西洋医学の礎を築きました。
エルヴィン・フォン・ベルツは1876年に来日し、26年間にわたり東京大学で内科学の教育と診療に従事しました。ツツガムシ病や肺吸虫症(肺ジストマ)の研究などを通じて日本の内科学の発展に大きく貢献しましたが、とりわけ注目したいのが温泉療法の研究です。ベルツは西洋医学の観点から日本の温泉の効能を研究・実証し、その価値を国内外に広く紹介しました。
一方、ユリウス・カール・スクリバは1881年に来日し、20年間にわたり東京大学で外科学を担当しました。無菌手術や近代的な外科手技を導入し、日本の外科学の近代化を大きく推進しました。
またスクリバは、1891年の大津事件で負傷したロシア皇太子ニコライ(後のロシア皇帝ニコライ2世)や、1895年に下関講和会議のため来日中に狙撃された清朝の政治家・外交官である李鴻章の治療にもあたり、その卓越した技術は国内外に広く知られることとなりました。
この胸像は、二人の偉業を顕彰するため1907年に建立されたものです。除幕式にはスクリバの妻・安子と三男ヘンリーも参列しました。
さらに、ベルツがその効能を世界に紹介した草津温泉にも、二人の功績をたたえる胸像が建てられています。
背景の重厚な壁面と、ドイツ語で刻まれた台座の銘文が荘厳な雰囲気を醸し出しています。
西洋医学の発展に尽力し、日本の医療の礎を築いた二人。その胸像は、150年近くを経た今なお、東大の地から私たちに医学の歴史と先人たちの功績を静かに語りかけています。
出典・参考文献
1)前田基行「草津の『恩人』の博士像に献花 ドイツとチェコの姉妹都市2市長来日」『朝日新聞デジタル』、2023年9月16日。
https://www.asahi.com/articles/ASR9H7QH7R9HUHNB003.html (2026年8月21日閲覧)
2)東京大学附属図書館「ベルツとスクリバ(医学図書館裏)」『東京大学附属図書館 第97回展示関連資料』。
https://www.lib.u-tokyo.ac.jp/html/tenjikai/tenjikai97/sc-berk.html (2026年8月21日閲覧)
3)東大耳鼻科ブログ「久しぶりの都心積雪――雪をかぶった4つの銅像」『東大耳鼻科だより』、2026年2月8日(最終更新:2026年2月11日)。
http://utokyo-ent.org/blog/2026_snow/ (2026年8月21日閲覧)
4)「ベルツ博士と温泉がつないだ縁… 群馬・草津町に姉妹都市ドイツとチェコから訪問団 友好の継続と発展誓う」『上毛新聞電子版』、2023年9月16日11時30分公開。
https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/345227 (2026年8月21日閲覧)