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人を大切にする経営学会員ページ 坂本光司教授および人を大切する経営学会関係者が投稿しています。 坂本光司教授および坂本光司研究室生が投稿しています。

「いい会社に共通する3つの特徴!」「いい会社には3つの共通項目がある」と、大久保寛司さん。1、心から湧き出る笑顔2、場の雰囲気がいい3、掃除が行き届いている「心から湧き出る笑顔」というのは、形だけの作り笑顔では作れません。チーム全体が活き活...
23/09/2026

「いい会社に共通する3つの特徴!」

「いい会社には3つの共通項目がある」と、大久保寛司さん。

1、心から湧き出る笑顔
2、場の雰囲気がいい
3、掃除が行き届いている

「心から湧き出る笑顔」というのは、形だけの作り笑顔では作れません。

チーム全体が活き活き、ワクワクと働いて組織が活性化しているからこそ、自然とこぼれ落ちるもの。

写真は、伊那食品工業の元最高顧問の(故)塚越寛さん。

「いい会社をつくりましょう」という社是を体現し、社員一人ひとりを大切にされてきた伊那食品工業の職場は、まさに心からの笑顔であふれる温かい空間だと実感します。

(法政大院)坂本光司研究室(&)経営人財塾7期卒 村田光生

22/09/2026

「正社員のままでよろしいでしょうか」——ある社員の問いと、有給休暇の8割要件

9月13日。この日が来ると、私はいつも同じ人のことを思い出します。

2020年のこの日、私が代表取締役になってから初めて、社員を亡くしました。

彼女はまだ30代前半の社員でした。

10万ページ近くあるお客様のウェブサイト。その中身を更新する仕組みのテンプレートをつくり、直し、改善するのが彼女の仕事でした。

20代中頃にがんになり、腫瘍を全摘して一度は治ったと聞いていました。

けれど5年もたたないうちに、別の場所に新たながんが見つかりました。

それでも彼女は、働くことをやめませんでした。

年次有給休暇(以下、有休)は、年間全労働日の8割以上出勤しなければ翌年度は付与されません。

彼女の有休は年20日、勤続年数に応じた満額でした。これに会社独自のリフレッシュ休暇が5日あります。

それでも治療で休みが重なれば、8割はすぐに危うくなります。

彼女は「来年は有休がもらえなくなるかもしれない」と、そのことを本当に気にしていました。

ある日、彼女がこう尋ねました。

「こんなに休んでいるのに、私は正社員のままでよろしいでしょうか?」

私は迷いませんでした。

病気に負けてほしくなかった。

完治して、元気に働いてほしかった。

だから、正社員のまま働いてほしいと伝えました。

その後、「担当医から『良い会社で働いていますね』と言われ、私は『はい』と答えたんです」と言ってくれました。

しかしながら、彼女が申し訳なく思う必要はありません。

正社員であることは、会社が恩恵として与えるものではありません。

彼女が自分の仕事で築いてきた、彼女自身のものです。

それなのに彼女は、自分にその資格があるのかを問わなければならなかった。

そう問わせてしまったのは、私たちなのではないか。今も自問しています。

彼女は、同僚に心配をかけたくないと病名は伏せていました。

しかし、治療の影響で髪が抜け、ウィッグをつけて出社するようになりました。

業務後、みんながいないところで彼女は私に尋ねました。

「松島さん、みんなに分かってしまうかもしれないけれど、ウィッグを外して出勤してもいいですか」

彼女の本音と、苦しみと、悩みが見え隠れしていました。

私は少し考えて、こう答えました。

伝えるかどうかは、あなたが決めて、あなたの口から伝えてほしい。

たしかに、長い入院で同僚は心配しているし、がんだとわかれば、余計に心配する人も出てくると思う。

でも、あなたの苦しみや悩みが少しでも軽くなるなら、私はその苦しみを少しでも一緒に背負いたい。

そう考えてくれる同僚もいるはずだよ。

結局、彼女は誰にも伝えないまま逝ってしまいました。

最後の電話は、こうでした。

「体調が落ち着いたので退院できます。来週の月曜日から出社します。ただ、パソコンのログインパスワードを忘れてしまったので、リセットしていただけませんか」

パスワードはリセットしました。これで出社の準備は整いました。

その出社予定日の朝、お兄様からご連絡をいただきました。

「妹が亡くなりました。長い間、本当にありがとうございました」

出社の前日、彼女は突然体調を崩し、そのまま自宅で亡くなったとのことでした。

出社できるようになってよかったね。

直前まで、そう話していたのに。

信じられませんでした。頭が真っ白になりました。

有休を使えば給与が満額出ます。

しかし、休職して無給になった期間にもらえる傷病手当金は、給与のおよそ3分の2です。

一人暮らしをしていた彼女は、治療費と日々の生活費を自分で稼がなくてはなりませんでした。

だからこそ、翌年度の有休付与のためにも、出勤率は大切なものでした。

彼女は数えていました。

休職をいつから始めるのか、有休をいつまで使うのか。収入を落とさず、来年度の有休も確保して、治療費と生活費をまかなうために。数えていたのは彼女だけではありません。

総務課も、出勤率が8割を超えるようにあと何日休めるのかを計算し、アドバイスしていました。

来年も有休が付与され、申し訳ないと思わずに休めるように。

前の年は、ぎりぎりクリアできました。

けれど最後の年は、このままでは8割を切ってしまう見込みでした。

彼女からは「来年のことを相談したい」と聞いていました。

しかし、その相談を、私は聞くことができませんでした。

葬儀のあと、ご両親が会社にいらっしゃいました。

机の中のものを一つひとつ確認し、彼女の私物をお渡ししました。

一周忌のとき、ご両親から「何か一言いただけませんか」とお声をかけていただき、多くの同僚が彼女への言葉を書いてお納めしました。

最後まで病気と向き合い、最後まで働こうとした人に、同僚が一言ずつ、言葉を書きました。

彼女が亡くなってから、積立有休制度をつくりました。

有休は2年で時効になります。使い切れずに消えていくその分を、最大20日まで積み立てられるようにしました。自分の病気、子どもの病気、親の介護。通常の有休だけでは足りない日が、誰にでも来ます。

ただ、正直に申し上げると、この制度は今、役目を終えつつあります。

当社の有休取得率は8割を超え、時効を迎えるほど有休を余らせる社員はほぼいなくなりました。

いま考えているのは、出勤率が8割を切った社員にも、その出勤率に応じた有休を付与することです。

8割は労働基準法が定める最低基準にすぎません。

8割に届かなかった年の翌年こそ、有休がいちばん必要な年なのだと、彼女が教えてくれました。

福利厚生制度の充実は、企業にとって手放しで良い話ではありません。

社員にとっては優しくても、「社員を甘やかしている」と映る経営者もいるかもしれません。

会社は利益を上げ、資金を回さなければ倒産します。

倒産は、社員の人生を大きく狂わせます。優しさを重ねた結果として会社が倒産するのなら、それは優しさではありません。

大学生のころ、レイモンド・チャンドラーの『プレイバック』の一節に衝撃を受けました。

「強くなければ生きてはいけない。優しくなければ生きていく資格がない」。

この言葉を、今も当社の行動の軸として社員に伝えています。

優しいだけでは駄目なのです。

私は社員に、自分の頭で考え、判断し、責任を引き受ける強さを求めています。同じ強さが、会社そのものにも要ります。社員のためを思うなら、給料を払い続けられる会社であり続けなければならない。それが会社にとっての強さです。

だから、強さと優しさの両軸でバランスをとりながら、年輪のように一年ずつ確実に太くなり、そのうえで身の丈より半歩だけ前に出る経営をしていく必要があるのです。

一人一人の事情に向き合いながら、社員にとってできるかぎり公平・平等な会社にする。

これが、彼女が私に残してくれた宿題です。

9月13日。今年も私は彼女のことを思い出し、彼女に背中を押して
もらっています。

人財塾8期生・株式会社国際協力データサービス
代表取締役 松島 大介

21/09/2026

No435『有限会社ますいいリビングカンパニー(埼玉県川口市)』第16回(2026年3月)受賞企業ホームページから

今週は「第16回日本でいちばん大切にしたい会社大賞」受賞企業のホームページを拝見して印象に残った掲載内容やコンテンツを紹介します。
https://masuii.co.jp/

有限会社ますいいリビングカンパニー(埼玉県川口市)さんは審査委員会特別賞を受賞されました。

●概要
会社名 有限会社ますいいリビングカンパニー
創 立 平成5年3月24日
設 立 平成7年4月5日
資本金 2,000万円
会 長 増井千恵子 増井真也
代表者 代表取締役 田村和也  代表取締役 伊藤真理子
所在地 埼玉県川口市中青木3-2-5
電話番号 048-254-8021
施工エリア 東京、埼玉、神奈川、千葉

●経営理念
1.社員と家族を守る大家族経営
社員は家族のように互いの体を気づかい、互いの心に働きかけ、一人もかけることなく全員が豊かになること。
1.協力会社の幸せも追求する
協力会社も家族のように互いの体を気づかい、互いの心に働きかけ、一人もかけることなく全員が豊かになること。
1.お客さまや地域社会に喜ばれ、感謝される
常に信義を重んじ、誠実な建築家としての良識を持ち、住宅を中心とした建築設計・施工を通じて広く社会に貢献する。

●こだわり(01国産木材、02左官、03自然塗装、04和紙、05鉄)
自然素材の力を最大限に生かし、家づくりを“人と環境にやさしい営み”にするための考え方として記載されています。
国産木材では、森林認証材を山から直接仕入れ、檜や杉など良質な材を構造材・床材・建具に活用し、強さと美しさを両立。
左官では漆喰・珪藻土・土壁など自然素材の壁を採用し、調湿・空気浄化・断熱など住環境を高めています。
自然塗装は植物油や柿渋・蜜蝋を使い、木の呼吸を妨げず安全性も高いです。
和紙は手漉きの伝統素材を壁紙に使い、調湿性と独特の風合いを生んでいます。
鉄は構造や意匠に適材適所で使い、木や土との調和を図っています。
これらの素材選びは“長く愛される家”をつくるための同社の根本姿勢です。

●健康経営、制度
定年70歳、社員飯、年に1回の家族会開催、子ども手当1万円(一人につき)
勉強会(月一で学びの場)、資格取得支援、ますいい建築賞(年に1回開催、役員賞・最優秀賞を選出)

●取り組み
障がいのあるスタッフが伝統的左官道具「ちりとんぼ」の製作を担い、職人の仕事を支えています。

●最後に
ますいいリビングカンパニーは創業1993年、埼玉県川口市を拠点に建築設計・施工を行う企業です。
同社の進む道は「あいさつ」に凝縮されています。
“良い家づくりのために「良い設計・良い素材・良い職人」が欠かせません。そのために、技術や文化などの学びによって設計力を磨き、良い素材を作る生産者との繋がりを構築し、現場でものづくりを行う職人を育てていきます。”
何よりも経営理念が力強くますいいリビングカンパニーの存在を示しています。

***補足***
この投稿では「法政大学大学院 政策創造研究科 坂本研究室」や「人を大切にする経営学会」での経験をもとに毎週火曜日にお届けしております。個人的な認識をもとにした投稿になりますので、間違いや誤解をまねく表現等あった場合はご容赦いただければ幸いです。(人を大切にする経営学会会員;桝谷光洋)

「人を大切にする経営学用語事典」の用語紹介【一時的変化と構造的変化】 経営環境はつねに変化する。企業は環境適応業であるため、その変化の本質をしっかり捉えて、適応する必要がある。 従来の経営学では、経営環境を外部環境と内部環境に分けて考えてき...
21/09/2026

「人を大切にする経営学用語事典」の用語紹介

【一時的変化と構造的変化】
 経営環境はつねに変化する。企業は環境適応業であるため、その変化の本質をしっかり捉えて、適応する必要がある。
 従来の経営学では、経営環境を外部環境と内部環境に分けて考えてきた。外部環境分析の代表的なものとしては、PEST分析、ファイブフォース分析、SWOT分析等がある。
 かたや内部環境分析としては、財務分析やバリューチェーン分析等がある。次に、人的支援管理・技術開発・調達・インフラ等間接的に価値を支える支援活動がある。これ以外にも、組織文化と構造、リソースベースドビュー、人的資源分析等がある。
 人を大切にする経営学においても、伝統的経営学の環境分析ツールは、従来と同様に必要であるが、もう一つ付け加えるべき視点がある。それは一時的変化と構造的変化の視点である。
 変化と変化から発生する問題は、その復元性、つまり、元に戻るか戻らないかという意味で2つの性格がある。やがて元に戻る変化は一時的な変化であり、決して元に戻らない変化は構造的変化である。
 たとえば、人口動態の変化、すなわち、高齢社会や人口減少社会は、一時的なものと捉えてはしっぺ返しを食らう可能性が高く、構造的変化として捉えなければならない。若者の採用難は、この構造的変化の結果であるといえる。
 また、温暖化現象やエネルギーの枯渇問題も、一時的な変化とは判断できない。これらも、明らかに構造的な変化といえるであろう。一方、インバウンド客に頼り過ぎることはリスクが高く、これは一時的な変化と捉えるべきである。
 人を大切にする経営を実践する企業では、一時的な変化を追い続ける経営者は多くない。それは、構造的な変化を探し、それを追い続ける経営者でないと、社員を大切にする経営ができないからである。社員の長期安定雇用が、経営の最重要の目的であることを忘れてはならない。
(第2章「経営に関する基本的用語」より)
 

 ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。鴨長明が記した通り、昔も今も劇的な変化は起こりえることなのかも知れません。社員とその家族をはじめとする大切な人々を守るため、景気を超越した企業経営が望まれます。

「人を大切にする経営学用語事典」の詳細とお求めは、下記リンクをご確認ください。
・共同文化社:https://www.kyodo-bunkasha.net/items/106268195
・Amazon:https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4877394222/7thchordjp-22/

(「人を大切にする経営学用語事典」編纂事務局 鈴木 敏子)

20/09/2026

今週の日程

先週は、宇都宮市や岡山市に出張しました。

宇都宮は、研修会、岡山市は、学会の中国支部公開フォーラムでした。

10時から17時までびっしりでした。

大変充実した良い会でした。

中国支部の浅野支部長や、野津副支部長をはじめ、事務局として準備して下さった仲間に感謝申し上げます。

さて、今週の日程です。

21日(月)・22日(火)・23日(水)は、祝日のため、自宅で仕事です。

24日(木)は、浜松市です。

20年以上、続く中小企業経営者の勉強会の例会があるからです。

25日(金)は東京の羽村市の企業訪問です。

最先端の加工技術を有するモノづくり企業です。

以前、講演会場でお会いした幹部社員のお誘いでしたが、ようやく実現しました。

ここが東京ですかといった、かなり遠い場所にありますが、訪問が楽しみです。

では、また来週…

(坂本)

【学会活動報告】「人を大切にする経営学会中国支部 第10回公開フォーラム」9月18日(金)、「人を大切にする経営学会中国支部 第10回公開フォーラム」が、岡山大学 創立五十周年記念館にて開催されました。 全国各地から約170名の方々にご参画...
20/09/2026

【学会活動報告】「人を大切にする経営学会中国支部 第10回公開フォーラム」

9月18日(金)、

「人を大切にする経営学会中国支部 第10回公開フォーラム」が、

岡山大学 創立五十周年記念館にて開催されました。



全国各地から約170名の方々にご参画いただき盛会となり、

岡山を代表する企業の実践や、大学・地域の視点から

「人を大切にする経営」について考える、非常に学びの多い一日となりました。



まずは、岡山大学 那須保友学長の

「地域と地球の“ありたい未来の共創”と不易流行の実践経営」

というテーマでの特別講演でスタートいたしました。

ご講演の中で、『西郷南洲遺訓』の

「天を相手にして、己れを盡て人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし」

という言葉が紹介されました。

誰かを責める前に、自分自身の真心が足りなかったのではないかと

省みるということ、

これは経営者に限らず、人と向き合う上で大切にしたい姿勢であると感じました。

また、「大変」というのは「大きく変わる前触れ」であり、

迷ったら前へ、苦しかったら前へ、というお言葉にも大変勇氣をいただきました。



続いての坂本光司先生のご講演では、

「企業とは環境適応業・時代適応業」というお話があり、

人財不足の時代に企業自身が変わらなければならないことを改めて学びました。

単に人を採用するのではなく、社員やその家族にとって魅力ある企業となり、

多様な人財が活躍できる環境をつくることで

「人から選ばれる企業」になっていくのだと思います。



平林金属 平林実社長の「社員の意識が会社をつくる」というお話、

そして鷹取醤油 鷹取宏尚社長の

「100年先にも世界で必要とされる企業になるために」というお話も

大変感動的でした。

鷹取社長の人財塾での学びが女将さんや工場長へと広がり、

学ぶことで終わらず、「伝えること」「挑戦すること」

「実践すること」へと広がっていく、

まさに学びの本当の価値がそこにあると感じました。



最後のリレートークでは、

「人を大切にする経営」と「人を甘やかしてダメにしてしまう経営」の

違いについての議論が、とても印象に残りました。

思いやりを持ちながらも、本人の成長や人生を考え、

時には心を鬼にして向き合い、寄り添いながら対峙し、

弱者支援ではなく活躍を支援するということが大切であると感じました。

「人を大切にする」とは、決して何でも受け入れることではなく、

相手の可能性を信じ、成長のために必要なことを伝え、

挑戦する機会をつくるその姿勢こそが、

本当の意味での「人を大切にする」ということであると思います。



今回のフォーラムを通じて、

日々の取り組みの結果は、誰かの未来につながっているということ、

だからこそ目の前の一人ひとりを大切にし、

その人の可能性を信じて応援し、

自身も常に学び、挑戦し続けることの重要性、

岡山で実践されている「人を大切にする経営」の数々から

大きな氣づきをいただけた一日となりました。



浅野支部長、野津副支部長、岡田事務局長をはじめ、

中国支部のみなさまの愛が詰まった素晴らしいフォーラムでした。

多くの感動の場を創ってくださり本当にありがとうございました。


今後も各支部での公開フォーラムが続々と決定しておりますので、

ぜひとも足をお運びいただければと思います。



10月5日(月)中部支部 第13回公開フォーラム

10月23日(金)関西支部 第21回公開フォーラム

10月30日(金)九州支部 第10回公開フォーラム

11月26日(木)関東支部 第10回公開フォーラム

12月8日(火)四国支部 第13回公開フォーラム



(人を大切にする経営学会 事務局次長 / CH 代表 佐々木 研)

お客様の喜びのために・・・長野中央タクシー 長野県の山奥にプレハブの社屋を構えるタクシー会社があります。県内でナンバーワンの売り上げとサービスを誇る長野中央タクシーです。流し営業や乗り場営業が一般的な中、同社はお客様から選ばれて乗車してもら...
18/09/2026

お客様の喜びのために・・・長野中央タクシー 

長野県の山奥にプレハブの社屋を構えるタクシー会社があります。県内でナンバーワンの売り上げとサービスを誇る長野中央タクシーです。

流し営業や乗り場営業が一般的な中、同社はお客様から選ばれて乗車してもらう電話予約が中心で、自宅から県外の空港へお客様を運ぶなど、新しい手法を用いてチャレンジする事業を展開してきました。

1998年、冬季長野オリンピックが開催されました。バブル景気もあり各国メディアは通常の3倍の料金で注文が入り、社内は興奮状態でした。

しかし、ある乗務員がこんな声をあげました。
「社長、オリンピック期間中が貸し切りになってしまったら、あ普段お乗せしているお年寄りや体の不自由な方々は、どうなるのですか?」

社長の宇都宮恒久さんは、はっとさせられました。
本当に大切にしなければならないお客様は、常連の方々だと、気づかせられたのです。

乗務員総会を開いた結果、全会一致で地元のお客様を優先することが決まりました。

2008年に息子の宇都宮司さんが代表取締役に就任され、お客様第一主義はますます磨きがかかります。

「ハートフルカード」という活動では、従業員の身近で起きた心温まる実体験を手紙で書き、毎朝の出庫前に読み上げます。それが一日の活力となり、同僚を知る機会になります。

「何がお客様に喜ばれるか」を社員が常に最優先で考えており、お客様からの感謝の手紙が絶えません。

とある冬の朝、友人の婚礼に参加するため長野を訪れた親子が乗車しました。予想以上の寒さだったため、子供にはかせる厚手靴下を結婚式場までの途中で買おうとされていました。

ところが早朝であったため、どこにも開いているお店がありません。開店を待っていると式には間に合いません。親子は仕方なく結婚式場に直接向かいました。

乗務員は親子を結婚式場で降ろした後、靴下を売るお店に行き、開店を待ってお子様に合う靴下を探し、再び結婚式場に駆けつけ、親子に手渡しました。この判断をした乗務員は入社してたった2か月の新入社員でした。

一般的には、乗務員がマニュアル以上の接客は罰則に当たります。同社では、困っている人を助ける行動を尊重しています。

「感動が人を変える」坂本光司著2022年より抜粋編集
人を大切にする経営学会:根本幸治

18/09/2026

不登校離職をなくそう!

令和6年の小中学生の不登校者数は、35万3,970人に達したといわれています。約26人に1人と割合です。大人の引きこもりも146万人に達していることを合わせて考えると、これは個人の問題ではなく社会の問題だということが推測されます。

子どもの不登校が増加する中、その裏で子どものケアと仕事の両立に悩む保護者が仕事を諦めざるを得なくなるいわゆる「不登校離職」も、深刻な社会問題となっています。

不登校を理由に離職する割合は、父親に比べて母親の方が圧倒的に高いのが現状です。子どもの不登校などをきっかけに実際に退職を選んだ母親は22.9%と、約5人に1人の割合になっています。これに対して父親の退職率はわずか0.67%であり、その差は約30倍という驚くべきギャップが生じています(NPO法人キーデザイン「不登校離職実態調査」より)。

この数字は、子どもが学校に行けなくなった際の日中の見守りや突発的な対応の負担が、今なお母親の肩に著しく集中している社会構造を明確に示しています。

多くの母親が「キャリアを諦めて自分が家に残るしかない」と孤独な葛藤を抱えていますが、実は仕事を辞めずに乗り越えるための選択肢として「介護休業」が活用できる場合があります。

介護休業は高齢の親のための制度というイメージが根強いですが、法律上の対象家族には「子」も含まれます。厚生労働省は2025年4月に介護休業の判断基準を見直し、子どもの不登校に伴う不安やパニック、安全確保のために「2週間以上の期間にわたり常時サポートが必要な状態」にある場合、不登校の子どもであっても介護休業の対象になり得ることを明確にしました。制度を利用すれば、原則として通算93日まで仕事を休むことができ、雇用保険から賃金の67%に相当する給付金を受け取ることができます。

しかしこのようなことはあまり世の中に知られていません。

親の介護という理由は会社に言いやすい環境になりつつありますが、子どもの不登校を会社に話すのをためらう親は多いと思います。会社にもいえず、誰にも相談できず、自ら会社を辞めていくしかないと考えがちです。

人を大切にする経営を実践している会社は、こうした不登校の子を持つ親を守るための仕組みづくりができると思います。働き盛りであり、組織の中核を担う30代〜40代の社員が、子どもの不登校という家庭の危機に直面したとき、それを「個人の問題」として放置することがあってはなりません。

まずは国が認めている介護休業が子どもにも適用できることを社内に広く周知し、相談しやすい環境を作ることが大切です。すでに、多くの企業では、子どもが風邪をひいたときなど、在宅勤務や時間単位の休暇制度を整備して、急な遅刻や欠勤にも対応していると思います。これらの制度も、不登校でも利用できるような取り組みもできると思います。

ぜひ、日本における不登校離職の根絶をめざしていきたいと思うのです。

(学会 法務部会 常任理事 弁護士 山田勝彦)

「人のやさしさは、涙の量に比例する」坂本光司先生がよく口にされる言葉の一つです。坂本光司著『経営者の手帳』より。・・・・・・・・・・企業が求めている人財は、知識やノウハウ、あるいはテクニックの保有者ではなく、組織の仲間のことを思いやれる「利...
16/09/2026

「人のやさしさは、涙の量に比例する」

坂本光司先生がよく口にされる言葉の一つです。

坂本光司著『経営者の手帳』より。

・・・・・・・・・・

企業が求めている人財は、知識やノウハウ、あるいはテクニックの保有者ではなく、組織の仲間のことを思いやれる「利他の心」を持った人である。

物質的にはほぼ満たされた今日、やさしさこそが、社会がいちばん望んでいるものだからだ。

こうした人財になるための最もよい方法は、心やさしい利他の心をもって人生を生きている人々の言動に真摯に学ぶこと。

それとともに、心洗われる書物を意識的に読んだり、利他の心あふれる場所に出かけてみたりすること。

そして恥ずることはない。人の苦しみ、悲しみ、喜びに触れ、涙することだ。

私の経験から言えば、人のやさしさは「涙の量」に比例するのだから・・・。

・・・・・・・・・・

まだまだ、坂本先生の域には遠く及びませんが、少しでも近づけられるよう、少しづつでも前進できればなぁと思っています。

(法政大院)坂本光司研究室(&)経営人財塾7期卒 村田光生

15/09/2026

事業承継 ~家業から企業へ~

早いもので、経営人財塾8期を修了してから半年が経ちます。あんなに自分自身や自社の経営と真剣に向き合った1年間が、今ではずっと昔のように感じられます。経営人財塾で学び、経験したことは、間違いなく私の経営者人生に大きな変化をもたらしました。劇的に会社が変わったわけではありませんが、この学びを通じて、経営者として“あるべき姿”が自分の中で明確になりました。

当社は創業57年目を迎える中小企業で、「ろう付」という接合技術を生業としています。私は父が創業した会社を引き継いだ二代目です。大学卒業後は大学院進学や海外留学を経験させてもらったため、他社での社会人経験がありません。そのため一般的な社会を知らないまま経営の世界に入ってしまい、それがずっと自分の中でコンプレックスとして残っていました。

その様な状態のまま、ある時社長という役職に就きます。社会人として半人前の自分が、ただ創業者の息子という理由だけで従業員を抱える経営者になったのです。今振り返ると非常に恐ろしいことですが、当時はその重みにまったく無自覚でした。

それまで「経営」を誰かに教わったことはなく、身近な経営者も父親しか知りません。「これではいけない」と危機感を覚え、経営を一から学び始めました。経営者団体に所属して多くの経営者と出会い、数々のセミナーを受け、書籍を読み漁る中で出会ったのが『日本でいちばん大切にしたい会社』シリーズでした。

その後ご縁があり、昨年から経営人財塾で学ぶ機会をいただきました。塾では坂本先生のご講義や優れた企業の事例はもちろん、多くの尊敬すべき経営者の皆様と出会うことができました。刺激的な議論を重ねる中で痛感したのは、経営者が持つべき圧倒的な姿勢と覚悟の重さです。

また学びの中で、事業承継の課題に直面し頭を悩ませている会社が世の中に数多く存在するという現実に改めて気づかされました。そこで、個人のプロジェクト研究でも「事業承継」をテーマに設定し、調査・分析を行いました。その過程で一つの大きな決断に至ります。それは、自社をこれまでの「家業」から、持続可能で強固な「企業」へと進化させることです。

特に、坂本先生の「会社は単なる個人の所有物ではなく社会の公器である」という言葉は胸に深く突き刺さりました。親族承継した身として将来のあり方に悩み続けていましたが、その言葉によって一筋の光が差し込んだ感覚がありました。これまで社内では「当社を100年続く企業にする」と宣言していたものの、具体的な手だてを打てずにいました。しかし、100年続く企業にするためには「家業から企業へ」進化させ、「従業員承継」を目指すべきなのだと確信したのです。

事業承継において最も重要なのは、次の世代が若い段階でバトンを渡すことだと考えています。変化の激しい現代において、若い感覚と行動力こそが未来を切り拓く原動力になります。もちろん、いきなりすべてを委ねるわけではありません。私自身が伴走者となり、次の経営者と共に会社を育てていくスタイルをとるつもりです。現在はその具体的な一歩を踏み出すことができました。

そして、企業経営において最も本質的であり、決して欠かせないのが「人財育成」です。人が育って初めて、組織は真の「企業」になれます。人財育成に終わりはなく、正解もありません。時間もかかりますが、経営者として常に向き合い続けなければならない命題です。

私は二代目経営者として自社をさらに発展させ、地域や雇用、長年積み上げてきた技術を守り、未来へ繋いでいきます。「家業から企業へ」、そして「従業員承継」の実現に向け、これからも日々精進してまいります。

人財塾8期生・東京ブレイズ株式会社・松 康太郎

住所

Chiyoda-ku, Tokyo
102-0073

電話番号

+81362614222

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