28/07/2026
【2026年7月24日(金)前期第14回ゼミナール】
皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の上野由希江です。連日、厳しい暑さが続いておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、今回のゼミナールでは輪読は行わず、韓国・済州島の方々と、地域資源を活用した価値創造について考える合同セミナーを行いました。
済州香料研究所の代表や済州大学の先生・学生の皆さんをお迎えし、韓国からの留学生の皆さんには通訳ボランティアとしてご協力いただきました。
今回は合同セミナーについてご紹介させていただきます。
⬛︎ ジャンボン・ド・ヒメキでみる両利きの経営
ジャンボン・ド・ヒメキを事例に、地域資源を活かした価値創造や「深化」と「探索」を両立する経営について学びました。
ジャンボン・ド・ヒメキは、姫木平の気候や生態系といった自然資本に、熟成の見極めや麹菌の活用といった知識・技術であるインタンジブルズを掛け合わせることで、他地域では再現できない独自の価値を生み出しています。それは恵まれた環境ではなく、「環境を読み、価値へ変換する力」にこそ競争優位の本質があるということです。
また、量産ではなく自然条件に適応しつつ品質を高める「深化」と、ワークショップやNAGANO Hamsなどの地域連携を通じて新たな顧客や市場と接続する「探索」を両立している点も特徴的です。麹菌の活用や地域資源(剪定枝・山椒・ホエイ等)を取り入れた循環型の生産、製法の透明化による信頼構築などを通じて、知的資産・関係資産を蓄積しています。
このように、ジャンボン・ド・ヒメキは単に土地の魅力を活用するのではなく、「自然・技術・関係性」と統合することで、地域資源を模倣困難な価値へと昇華させる本質があるといえます。
⬛︎ 済州大学とのディスカッションと学び
済州島特産のみかんやハルラ山などの自然資本とインタンジブルズを掛け合わせ、「誰の・どんな用事を解決し、どのような売り方の層で販売するのか」を韓国の留学生の方とディスカッションを行いました。他のグループの発表を聞いている中で、ハムドクビーチという自然資本とその場所を帰っても思い出せる体験価値から「景色を思い浮かべることのできる香り袋」がありました。
同じ自然資本を使っていても、組み合わせ次第で生み出される顧客価値や届けるべきターゲット層が異なることを改めて実感しました。
私は現在、商品開発のプロジェクトに参加していますが、「誰のどんな課題を解決するのか」や「どのようなストーリーや価値を組み合わせるのか」また、「顧客に選ばれるかどうか」という視点を取り入れていきたいと思います。今後は単なる商品作りにとどまらず、自然資本・地域性、自分たちの強みを掛け合わせながら独自の価値を持った商品開発を進めていきたいと思います。
グループディスカッションでは、日本の学生は、技術などの知的資本を重視していたのに対して、韓国の方は済州島の自然や歴史に根ざした物語や背景といった意味的価値を重視していました。この差は単に個人が異なることによる意見の違いではなく、価値をどのように構築し伝達するかという視点の違いであると考えました。
この議論から、価値創造においては技術的な優位性だけでなく、どのようなストーリーで伝えるかの両方を統合する必要があると認識しました。
⬛︎ 前期の学びを通して
前期のゼミ活動を通じて、「売りたい商品は何か」という視点から発想していましたが、生産者の知識・技術と環境・地域資源を「どのような背景や意味を持たせて価値に変換するか」によって、商品価値が大きく変わることを学びました。後期は、単に商品アイデアを考えるのではなく、「誰のどのような課題を解決するのか」「資源と強みをどう掛け合わせるか」という視点から具体的な商品企画に取り組んでいきます。また、立案したアイデアをメンバーに批判的に評価してもらうことで妥当性や実現可能性の高い提案へと磨きをかけていきます。
⬛︎ 追伸
前期のゼミ活動もひと段落し、岩田先生やジャンボン・ド・ヒメキのオーナーである藤原さん、ゼミ生で慰労会を行いました。
春の頃に比べ、メンバー間の距離も縮まり、互いの理解をさらに深める貴重な経験となりました。