専修大学経営学部 岩田弘尚研究室

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専修大学経営学部 岩田弘尚研究室 専修大学経営学部岩田弘尚研究室 岩田弘尚が担当する授業とゼミの情報や研究活動の内容を随時発信していきます。

【2026年7月24日(金)前期第14回ゼミナール】 皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の上野由希江です。連日、厳しい暑さが続いておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか。 さて、今回のゼミナールでは輪読は行わず、韓国・済州島の方々...
28/07/2026

【2026年7月24日(金)前期第14回ゼミナール】
 皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の上野由希江です。連日、厳しい暑さが続いておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか。

 さて、今回のゼミナールでは輪読は行わず、韓国・済州島の方々と、地域資源を活用した価値創造について考える合同セミナーを行いました。

 済州香料研究所の代表や済州大学の先生・学生の皆さんをお迎えし、韓国からの留学生の皆さんには通訳ボランティアとしてご協力いただきました。

 今回は合同セミナーについてご紹介させていただきます。

⬛︎ ジャンボン・ド・ヒメキでみる両利きの経営
 ジャンボン・ド・ヒメキを事例に、地域資源を活かした価値創造や「深化」と「探索」を両立する経営について学びました。
 ジャンボン・ド・ヒメキは、姫木平の気候や生態系といった自然資本に、熟成の見極めや麹菌の活用といった知識・技術であるインタンジブルズを掛け合わせることで、他地域では再現できない独自の価値を生み出しています。それは恵まれた環境ではなく、「環境を読み、価値へ変換する力」にこそ競争優位の本質があるということです。
 また、量産ではなく自然条件に適応しつつ品質を高める「深化」と、ワークショップやNAGANO Hamsなどの地域連携を通じて新たな顧客や市場と接続する「探索」を両立している点も特徴的です。麹菌の活用や地域資源(剪定枝・山椒・ホエイ等)を取り入れた循環型の生産、製法の透明化による信頼構築などを通じて、知的資産・関係資産を蓄積しています。
 このように、ジャンボン・ド・ヒメキは単に土地の魅力を活用するのではなく、「自然・技術・関係性」と統合することで、地域資源を模倣困難な価値へと昇華させる本質があるといえます。
 
⬛︎ 済州大学とのディスカッションと学び
 済州島特産のみかんやハルラ山などの自然資本とインタンジブルズを掛け合わせ、「誰の・どんな用事を解決し、どのような売り方の層で販売するのか」を韓国の留学生の方とディスカッションを行いました。他のグループの発表を聞いている中で、ハムドクビーチという自然資本とその場所を帰っても思い出せる体験価値から「景色を思い浮かべることのできる香り袋」がありました。
 同じ自然資本を使っていても、組み合わせ次第で生み出される顧客価値や届けるべきターゲット層が異なることを改めて実感しました。
 私は現在、商品開発のプロジェクトに参加していますが、「誰のどんな課題を解決するのか」や「どのようなストーリーや価値を組み合わせるのか」また、「顧客に選ばれるかどうか」という視点を取り入れていきたいと思います。今後は単なる商品作りにとどまらず、自然資本・地域性、自分たちの強みを掛け合わせながら独自の価値を持った商品開発を進めていきたいと思います。
 グループディスカッションでは、日本の学生は、技術などの知的資本を重視していたのに対して、韓国の方は済州島の自然や歴史に根ざした物語や背景といった意味的価値を重視していました。この差は単に個人が異なることによる意見の違いではなく、価値をどのように構築し伝達するかという視点の違いであると考えました。
 この議論から、価値創造においては技術的な優位性だけでなく、どのようなストーリーで伝えるかの両方を統合する必要があると認識しました。

⬛︎ 前期の学びを通して
 前期のゼミ活動を通じて、「売りたい商品は何か」という視点から発想していましたが、生産者の知識・技術と環境・地域資源を「どのような背景や意味を持たせて価値に変換するか」によって、商品価値が大きく変わることを学びました。後期は、単に商品アイデアを考えるのではなく、「誰のどのような課題を解決するのか」「資源と強みをどう掛け合わせるか」という視点から具体的な商品企画に取り組んでいきます。また、立案したアイデアをメンバーに批判的に評価してもらうことで妥当性や実現可能性の高い提案へと磨きをかけていきます。

⬛︎ 追伸
 前期のゼミ活動もひと段落し、岩田先生やジャンボン・ド・ヒメキのオーナーである藤原さん、ゼミ生で慰労会を行いました。
 春の頃に比べ、メンバー間の距離も縮まり、互いの理解をさらに深める貴重な経験となりました。

【2026年7月17日(金)前期第13回ゼミナール】 皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の高野翔平です。本格的に気温が上がり、夏本番を迎える時期となりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。 さて、今回のゼミナールでは1.『これから...
21/07/2026

【2026年7月17日(金)前期第13回ゼミナール】

 皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の高野翔平です。本格的に気温が上がり、夏本番を迎える時期となりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。

 さて、今回のゼミナールでは
1.『これから研究を書くひとのためのガイドブック[第2版]』第21章から第24章の輪読
2.『日経ビジネス』の輪読
3.『統合報告・統合思考による企業価値創造』第10章、終章の輪読
4.『境界で息をする』第9章、第10章、第11章、あとがきのディスカッション
5.商品開発チームの研究テーマ発表
を行いました。
 今回は、2についてご紹介させていただきます。

⬛︎ 町工場の婿専務、Claudeで1億円システム自作 
 今回のゼミでは、日経ビジネスの特集「AIに淘汰されるな」を扱い、AIが企業の業務や競争力にどのような影響を及ぼしているかを学びました。近年生成AIをはじめとしたAIの急速な普及により、企業においてもAI導入が進んでいます。本特集では、企業がどのようにAIを取り入れ、業務や競争力に繋げているのかを複数の事例を通じて紹介されていました。 
 石川県の金沢市にある岡田研磨は、従業員約80人の町工場です。同社では、プログラミング経験のない専務がClaude Codeを活用し、検査成績書の作成、寸法管理、生産実績管理など、30を超える業務システムを自社で構築しました。これらを外部のシステム会社に発注した場合、8000万円から1億円程度の費用が必要になると見込まれていました。しかし、AIを活用することで、月額約100ドルの契約費用で開発を進めることができました。

⬛︎ 現場の人間がシステムを創る
 業務システムの開発では、現場で働き、日々の業務を最も理解している人が開発を主導することで、「紙の資料を探す時間が長い」「同じ情報を何度も手書きしている」といった、外部者では把握しにくい細かな課題を即座にシステムへ反映できます。現場の人間がAIを活用し、システム構築をすることで時間や資本等のコストを抑え、直ぐに効率化に直結するものを作成できます。一方、勤怠管理や図面管理など、多くの企業に共通する業務には既存のSaaS(ソフトウエアをクラウド上で提供するサービス)を利用しています。自社固有の業務は内製化し、汎用的な業務は外部サービスを活用するという「内製と外注の使い分け」が重要だと分かりました。

⬛︎ AI時代におけるSaaS企業の競争力
 生成AIの登場によって、従来の業務ソフトウエアがAIに置き換えられ、SaaS企業が不要になる「SaaSの終焉」も指摘されるようになりました。しかし、今回の特集では、AIがすべてのSaaS企業を淘汰するのではなく、AIによって自社の強みをさらに活用できる企業が生き残ると説明されています。そのために必要なのが、「守る・強める・広げる」という3つの視点です。まず、自社が蓄積してきたデータや顧客基盤を守ること。次に、AIを利用して既存サービスの価値を強めること。そして、AIエージェントや外部サービスと連携し、提供できる業務の範囲を広げることです。
 本特集で紹介されていたセールスフォースの強みも、AIそのものだけにあるのではありません。同社には、顧客との接点や営業活動を通じて蓄積してきた、整理された膨大なデータがあります。AIが利用しやすい形でデータが蓄積されているため、AIエージェントによる営業支援の精度を高めることができます。AI時代の競争力は、最新のものや質の高いAIを導入しているかだけではなく、「AIに活用させることのできる質の高いデータを持っているか」によっても左右されると述べられていました。

⬛︎ ディスカッション
 今回のディスカッションでは身近な業界において、AIエージェントに任せることで価値が高まる業務は何か。また、その後に人間はどのような役割を担うべきか、新たに生まれる仕事についても考えることをテーマに話し合いました。銀行では個人や中小企業への融資を判断する際のデータ分析をしたり、スーパーや小売店ではその日の天気、周辺のイベントなどによって発注量を調節する、在庫管理などのデータ分析、管理に役立つという意見があげられました。それらに対し人間はその情報のファクトチェックをすることや、営業などを通じた顧客との信頼関係を構築することは人間にしかできないといった意見が出ました。新たに生まれる仕事としてはAI利用について教える人や、AIのアクセス権限や使用するデータの管理をする仕事などがあげられました。

⬛︎ 感想
 今回の輪読を通じてAIを導入することは単に業務効率化をするだけではなく、新たなビジネスモデルの創出や、企業内の役割を再構築する取り組みであると認識しました。
 私は大学1、2年生までは自分で物事を考えたいと思っていたため、AIを使うことに懐疑的でした。しかし、ゼミナール活動でAIを素早いPDCAを回すたに使うことが有効であると感じました。情報収集やアイデアを出すために使用することが多いですが、参考文献などが明示されていても、それを使用する際にはしっかりと文献を読み、ファクトチェックをすることを心がけています。ここ数年でのAIの進化はすさまじく、企業でも当たり前のように使われ、システムに組み込まれるでしょう。私たちが働くころには当たり前のように企業で使われ、運用、管理が必要になる時に、AIを活用するうえで情報が信頼できるものなのか、どこまでの情報をAIに使わせるべきかの判断がより一層求められていくと感じました。本特集でも述べられていたように、AIに何を任せ、人間がその結果を判断、活用できるように考えていく必要があります。私も、単にAIを情報収集や文章作成のツールとして使うのではなく、意見のフィードバックを求めたり、自分の考えを高めるためのパートナーとして活用していきたいと考えました。議論を通じてデータ分析はAIが担い、最終的な判断や顧客との関係性の構築を担うなど、それぞれの強みを生かした役割分担をすることが重要であるという結論に至りました。

⬛︎ 追伸
 先日、都内の猫カフェに行ってきました。プロジェクトで忙しい中でもモチベーションを保つために適度にリラックスしながら全力で取り組んでいきたいです!

最後までご覧いただきありがとうございました。

[使用した書籍]
・日経BP(2026)「AIに淘汰されるな NEC、セールスフォース、SH*Tの大転換」『日経ビジネス』2026年7月6日号,pp.12-33.
・内山哲彦(2025)『統合報告・統合思考による企業価値創造』,中央経済社.
・蔡芢錫(2025)『境界で息をする』,新曜社.
・佐渡島紗織・吉野亜矢子(2021)『これから研究を書くひとのためのガイドブック[第2版]』,ひつじ書房.

【2026年7月10日(金)前期第12回ゼミナール】 皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の久高麻想です。日差しが日に日に強まり、本格的な夏の訪れを感じる季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。 さて、今回のゼミナールでは...
14/07/2026

【2026年7月10日(金)前期第12回ゼミナール】

 皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の久高麻想です。日差しが日に日に強まり、本格的な夏の訪れを感じる季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 さて、今回のゼミナールでは、
1.卒論報告
2.統合報告チームの研究テーマ発表
3.『日経ビジネス』の輪読
4.『統合報告・統合思考による企業価値創造』第9章の輪読
5.『境界で息をする』第7章、第8章
6.『これから研究を書くひとのためのガイドブック[第2版]』第19章、第20章の輪読
を行いました。
 今回は、4についてご紹介させていただきます。

⬛︎ 企業観の変化と統合報告
 現代の企業報告をめぐる環境は、株主の経済的利益だけを最優先する「伝統的な株主第一主義」から、長期的な視点で社会的な価値創造も重視する「新しいステークホルダー資本主義」へと大きくシフトしています。企業が事業を行うために活用する人材や環境などのあらゆるリソースは、従業員や地域社会など、様々なステークホルダーによって支えられています。そのため、今の企業には、「自分たちは社会の中でどのような立ち位置にあり、どのように貢献していくのか」という自社の存在目的や価値創造のあり方を、財務・非財務の両面から明示する責任があります。
 こうした背景から、統合報告書には、多くの情報を整理し、自社がどのように価値を生み出しているのかという「価値創造の仕組み」を正しく理解してもらい、長期的な視点を持つ投資家との対話を促すという重要な役割が求められています。

⬛︎ イメージ戦略で終わらせないための工夫
 一方で、統合報告書は投資家や地域社会などの外部ステークホルダーに向けて自社の価値創造を説明する媒体であるため、企業には信頼や評価を高めたいという意識が働きやすいという側面があります。その結果、本来の実態を伝えることよりも、都合の良い成果ばかりを並べる「イメージ戦略」へと傾いてしまうリスクがあります。こうした課題を踏まえ、今回のディスカッションでは、「統合報告書を単なるイメージ戦略にしないためには、どのような仕組みや工夫が必要か」について議論を行いました。

 ゼミ生からは、大企業では開示基準やガイドラインが比較的整備されている一方で、中小企業では専門的な知識をもつ人材や統合報告書を作成する体制が十分に整っていないため、内部だけで作成すると都合の良い情報に偏りやすく、客観的な視点を取り入れることが難しいのではないかという指摘がありました。
 これらの意見を聞いて、私は統合報告書を単なるアピールツールにしないためには、外部の客観的な視点を取り入れることに加え、企業自身が課題や改善点も含めて誠実に情報を開示しようとする姿勢が欠かせないと感じました。また、イメージ戦略に陥らないためには、従業員の離職率の上昇や顧客満足度の低下といった、自社にとって都合の悪いデータが出た際の対応も重要だと感じています。データをただ隠すのではなく、その背景にある要因や社会情勢を文章で説明し、企業としての課題や今後の改善策までセットで示すことが重要だと感じました。そうした誠実な情報開示の姿勢こそが、結果としてステークホルダーからの本当の信頼につながるのだと考えさせられました。

⬛︎ 感想
 私は現在、統合報告書の作成支援に関わっていますが、今回のディスカッションを通して、自分たちが第三者として関わる意義を改めて実感しました。まだ手探りではありますが、私たちのような第三者が関わることで、企業側の「良い情報だけに偏ってしまう」というリスクを少しでも和らげるお手伝いができているのかもしれないと、自身の活動を振り返るきっかけになりました。
 外部からの客観的な視点を持ちながら、経営陣の言葉だけでなく、表に出にくい組織の実態や課題をいかに報告書へ反映させていくか。それこそが、結果として投資家や社会からの本当の信頼につながり、企業の実態を正確に伝える鍵になるのだと学びました。今後も、統合報告書の作成支援に関わる中で、情報が一面的にならないよう、第三者としての立場を意識しながら取り組んでいきたいと考えています。

⬛︎ 追伸
 先週はゼミがお休みだったため、地元の友人たちと久しぶりにご飯を食べに行きました!それぞれが新しい場所でさまざまなことに挑戦しているようで、お互いの近況を話す中でたくさんの刺激をもらいました。それと同時に、昔と変わらない空気感で笑いの絶えない時間を過ごすことができ、とても良いリフレッシュの機会となりました。

 最後までご覧いただきありがとうございました。

[使用した書籍]
・日経BP(2026)「外国人材資本経営 在留1000万人時代への覚悟 」『日経ビジネス』2026年6月29日号,pp.12-33.
・内山哲彦(2025)『統合報告・統合思考による企業価値創造』,中央経済社.
・蔡芢錫(2025)『境界で息をする』,新曜社.
・佐渡島紗織・吉野亜矢子(2021)『これから研究を書くひとのためのガイドブック[第2版]』,ひつじ書房.

【2026年6月26日(金)第11回ゼミナール 】  皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の小栁妃那汰です。雨が降ったり蒸し暑かったりと天候の変わりやすい時期ですが、いかがお過ごしでしょうか。 さて今回のゼミナールでは1.試食会2....
30/06/2026

【2026年6月26日(金)第11回ゼミナール 】

 皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の小栁妃那汰です。雨が降ったり蒸し暑かったりと天候の変わりやすい時期ですが、いかがお過ごしでしょうか。
 さて今回のゼミナールでは
1.試食会
2.信州美食フェスタ事後報告
3. 統合報告書プロジェクトの共生会MTG事後報告
4.『日経ビジネス』の輪読
5.『統合報告・統合思考による企業価値創造』第8章の輪読
6.『境界で息をする』第5章、第6章
7.『これから研究を書く人のためのガイドブック』第17章、第18章の輪読
8.卒論報告
を行いました。
 今回は4についてご紹介させていただきます。

⬛︎AI市場拡大による日本企業の需要増加
 今回のゼミでは、『日経ビジネス(2026年6月15日号)』の特集「AIデータセンター・エフェクト解剖270兆円市場、商機とリスク」を取り上げ、輪読とディスカッションを行いました。
 現在、生成AIの普及に伴い、その計算資源となるAI半導体や、それを稼働させるためのデータセンターの建設ラッシュが世界中で起きています。このAI市場の拡大により、半導体そのものだけでなく、半導体に欠かせないICパッケージ基板、光ファイバー、ガラス繊維など、日本の製造業全体が大きな恩恵を受け、成長機会が生まれています。
 また、大量の計算を同時に高速で処理する半導体GPUが、さらなる性能向上のために大型化・多層化しています。こうしたGPUの進化に伴って消費電力や発熱量の増加が見込まれるため、冷却技術や通信機器といった周辺技術の需要も拡大しており、日本企業はその周辺技術に強みを持っているため、大きな成長につながっていきます。

⬛︎ 巨額AI投資の裏側に潜むリスク
 AI市場拡大によって日本企業が受ける恩恵の他に、巨額すぎるAI投資がもたらす問題点もいくつか存在します。
 まず1つ目の問題は、部品の異常な価格高騰です。生成AIにはGPUだけでなく、AIサーバー用の特殊な高速メモリー(HBM)が必要不可欠です。近年の急激なAI需要に伴い、AI企業がこのHBMを大量購入しているため、供給が全く追い付かず価格が高騰するという事態が起きています。
 2つ目は、データセンターを稼働させるための電力不足です。GPUは従来のサーバーよりもはるかに多くの電力を消費します。どれだけ資金やGPUが確保できたとしても、肝心の電気がなければデータセンターは動かないという物理的な限界が見え始めています。電子情報技術産業協会(JEITA)は、世界のデータセンターサービス市場が2030年に約270兆円規模になると予測しています。しかし、この成長はいつまでも続くのでしょうか。
 現在、AIブームによって関連企業はデータセンターに巨額の投資を行っていますが、投資額があまりにも大きいため、「本当に利益を回収できるのか」という懸念の声も上がり始めています。万が一、建てたデータセンターが想定通りに使われなければ、投資額を回収できずに多額の借金だけが残る危険性があります。こうした巨額の設備投資や借入金は、将来的に企業の首を絞める「まだ見ぬ負債」になる可能性をはらんでいます。大きな成長が期待されるAI市場だからこそ、熱狂に流されて過度な投資をするのではなく、リスクを見極めた慎重な経営判断が必要不可欠です。
 
⬛︎ データセンター建設における「地域共生」の課題
 データセンターの建設には、企業の利益だけでなく、環境への配慮や地域住民との共生も重要です 。例えば、千葉県印西市の千葉ニュータウン中央駅前ではデータセンターの建設計画が立てられましたが、工場や倉庫などの建設が禁止されている「タウンセンター地区地区計画」の区域に該当するとして、周辺住民から強い反発が起きました 。データセンターの用途は建築基準法に明確な定義がなく、一般的に「事務所」か「その他」として扱われていました 。しかしこれを受け、市は乱開発を防ぐために地区計画を変更し、データセンターが事務所扱いだとしても建設できなくなりました 。
 地域ごとに住民環境や土地利用の状況が異なるため、一律のルールでは対応しきれない面があり、現在も国レベルでデータセンターの用途を明確に定義する動きはまだありません 。だからこそ、国の一律のルールを待つのではなく、自治体が地域の特性を踏まえ、住民生活に配慮したピンポイントな対応をしていくことが有効だと考えます 。こうした背景からも、企業は利益のみを追求するのではなく、地域社会との共生を真剣に考える必要があると言えます。

⬛︎ ディスカッション
 今回のディスカッションでは、「AIデータセンター投資は現在バブルなのか。それとも将来の成長に必要な先行投資なのか。企業はどの指標で判断すべきか」をテーマに話し合いました。議論ではバブルという意見が多くを占めました。技術進化による設備の陳腐化リスクから、短期での投資回収や転用性を重視すべきとの慎重論です。対して先行投資派からは、さくらインターネットを例に、AIサービスの受注状況や高稼働率が報告書で確認できるなら正しい投資だ、という意見が出ました。一方で、現在は目先の経済性以上に世界標準を奪い合う戦略的競争の局面になっています。AIを導入しないこと自体の生存リスクも大きいという視点もあり、議論は多角的な深まりを見せました。この議論を通じて、AIを導入・投資するリスクと投資しないリスクの双方が平等に存在していることが印象に残りました。

⬛︎ 感想
 一連のディスカッションを踏まえ、私個人としては「基本的には必要な先行投資である」と考えます。AI市場は社会インフラとして確実に伸びるため、今整備しなければ将来の競争に勝てないからです。ただし無謀なバブルを防ぐため、企業には実際の稼働率やフリーキャッシュフローを注視し、採算を見極める厳格なリスクコントロールが求められます。
  今回のテーマを通じ、AIインフラ整備がもたらす「恩恵」と「問題点」の両面を深く学びました。AI市場の拡大は単なる技術ブームにとどまらず、電力や地域社会、そして企業の財務状況にまで直結する複雑な問題です。特に重要だと思ったのは、どれだけ資金があっても電力がなければ動かないという物理的限界や、過度な投資が企業の首を絞めかねないという点です。私たちが日常的にAIを利用する背後で、企業はこのような巨大なリスクと向き合っており、リスクとリターンを冷静に天秤にかける経営判断がいかに重要であるかを痛感しました。一人のAIユーザーとしても、すでに身近になったAIが今後どう進化していくのか、そしてAIとの共存が不可欠な世代の学生として今どのようにAIを活用していくべきか、引き続き市場の動向に注目していきたいです。

⬛︎ 追伸
 今回、ゼミ活動の一環で行っている商品開発で初めての試食会を行いました!まだまだ改良の余地はありますが、これから何度も試作を重ねて、自信を持っておすすめできる良い商品を作り上げたいです!

 最後までご覧いただきありがとうございました。

[使用した書籍]
・日経BP(2026)「AIデータセンター・エフェクト解剖270兆円市場、商機とリスク」『日経ビジネス』2026年6月15日号,pp.10-35.
・内山哲彦(2025)『統合報告・統合思考による企業価値創造』,中央経済社.
・蔡芢錫(2025)『境界で息をする』,新曜社.
・佐渡島紗織・吉野亜矢子(2021)『これから研究を書くひとのためのガイドブック[第2版]』,ひつじ書房.

【2026年6月19日(金)前期第10回ゼミナール 】  皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の村松美和海です。 日中は汗ばむような陽気となってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 さて今回のゼミナールでは1.卒論報告2.『日...
23/06/2026

【2026年6月19日(金)前期第10回ゼミナール 】

 皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の村松美和海です。
 日中は汗ばむような陽気となってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 さて今回のゼミナールでは
1.卒論報告
2.『日経ビジネス』の輪読
3.『統合報告・統合思考による企業価値創造』第7章の輪読
4.『境界で息をする』第3章、第4章
5.『これから研究を書く人のためのガイドブック』第13章、第14章、第15章、第16章の輪読
を行いました。
 今回は3についてご紹介させていただきます。

⬛︎ 日本は世界トップレベルの「統合報告大国」?
 皆さんは、財務情報と非財務情報(環境・社会・ガバナンスなど)を一つにまとめた「統合報告書」を日本企業がどれほど発行しているかご存じでしょうか。
 実は、日本は世界でも有数の統合報告大国で、日経225構成銘柄の94.6%が発行しています。「すべてのステークホルダー(顧客・従業員など)を大切にする」という伝統的な日本企業の価値観が、このような自発的な開示を後押ししました。
 しかし、国際的な統合報告の質の比較調査では、世界10カ国中第8位という、発行数は多いものの、ガバナンスや対話のレベルは「発展途上」であるという課題も見えてきています。そんな中、日本をはじめ、世界は株主最優先でもステークホルダー全員優先でもなく、それらの中間的な存在である「新しいステークホルダー資本主義」を目指しています。主役はあくまでも株主としつつも、社員や社会も徹底的に大切にするという、両者の良いとこ取りをしたモデルです。

⬛︎ 激変する日本のガバナンスと、キリンの挑戦
 今回の輪読で特に危機感を覚えたのは、日本での「労働生産性の低迷」です。OECD38カ国中32位と、先進国の中で下位となっており、イノベーションの促進や人的投資が急務となっています。
※OECD:経済協力開発機構。世界経済の成長や貿易の拡大などを目的とする国際機関のこと。
 さらに、企業のガバナンス構造も激変しています。1990年には33.2%を占めていた金融機関(メインバンク等)の株式保有割合が2023年には6.8%に激減した一方、外国法人等(海外投資家)の割合が4.7%から31.8%へと急増しました。
 ここで重要なのは、この株式保有構造の変化が企業に「何をもたらすか」という点であると考えます。かつての金融機関(メインバンク等)による甘い監視の時代とは異なり、海外投資家がイノベーションを起こすために資本を効率的に運用する姿勢のない企業の経営陣を厳しい目でチェックします。
 つまり、日本企業はこれまでの横並びでリスクを回避する内向きの経営を脱却し、資本市場から選ばれるための攻めのガバナンスや明確な価値創造ストーリーの提示を強く求められるようになったのです。
 この厳しい圧力の中で企業が生き残るための事例として、株式会社キリンホールディングス(以降キリン)の取り組みを学びました。国内のビール市場が成熟する中、キリンは「医薬品・ヘルスケア領域」へと大きく事業をシフトさせました。しかし、従来の同質的な組織のままではイノベーションを起こせないため、外部の専門人材の登用や女性管理職の意思決定層への引き上げを積極的に行いました。あえて組織に「異なるバックグラウンドを持つ人材同士が意見を交わすことで生まれる、健全な摩擦」を生み出すことで、意思決定のスピードとイノベーションの質を向上させています。
 こうした人への投資がどのように将来の成果につながるのかを、キリンレポート(統合報告書)を通じて投資家へ詳細に開示し、対話を行っている点も大きな学びとなりました。

⬛︎ディスカッション
 これからの企業が生産性向上のために、「経営戦略に必要なスキルを持った人材に焦点を当てて投資するべきだ」という動向を踏まえ、本日の議題は、以下の2点から行いました。
1.企業側が優秀な人材を安定して確保するために、どのような仕組みやアプローチが必要か
2.将来企業から投資してもらうために、私たち大学生及び新卒にはどのような姿勢が必要か
 ミスマッチを防ぐことが大事であり、企業側は人材投資や評価の透明化、学生が本音で話すことのできる環境の整備が必要であるという意見や、大学生及び新卒は積極性や主体性が必要であるという意見が多く出ました。企業と大学生及び新卒のどちらもが、ただ待つのではなく自ら動いていく姿勢が重要であると感じました。
 環境やダイバーシティといった大枠のテーマは世界的に統一されつつありますが、具体的な開示規制や実際の現場での活かし方には、国や企業の多様性が今後も残ります。ただグローバル基準に合わせるだけでなく、自社の強みとなる人材へどう投資し、どう価値を生み出すかという現在進行形の変革を肌で感じる輪読となりました。

⬛︎ 感想
 本日の輪読において、海外投資家の急増を伴うガバナンス構造の激変や、日本の労働生産性の低迷というマクロな実態は、非常に衝撃的でした。単にグローバルな開示基準に合わせるだけでなく、キリンのように経営戦略と人材戦略を同期させ、インタンジブルズ(無形資産)を実質的な競争優位へと昇華させる重要性を強く実感しました。
 また、これらの「新しいステークホルダー資本主義」の時代を生きる一人の就活生として、企業から「投資したい」と思われるような人材になるために、主体性や調和力、スキルをゼミやそのプロジェクト活動、また課外活動を通して身に付けていきたいと思うなど、自らもどのような専門性や姿勢を磨くべきか、考える契機となりました。

⬛︎ 追伸
 本日のゼミ後に、3年生で食事会をMONI向ケ丘遊園で行いました。デミグラスソースとトマトソースのふわふわしたオムライス、チーズケーキ、スコーンなどを楽しみました。ゼミ以外で何気ない話をする時間を設けることは、仲を深めるうえで大切だと感じました。

 最後までご覧いただきありがとうございました!

[使用した書籍]
・日経BP(2026)「攻めの法務 CLOを成長の伴走役に」『日経ビジネス』2026年6月16日号,pp.8-30.
・内山哲彦(2025)『統合報告・統合思考による企業価値創造』,中央経済社.
・佐渡島紗織・吉野亜矢子(2021)『これから研究を書くひとのためのガイドブック[第2版]』,ひつじ書房.

【2026年6月12日(金)第9回ゼミナール 】   皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の関根舜です。    梅雨の湿り気と初夏の風が混じるこの頃、季節の移ろいを感じる日々となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。  今回のゼ...
16/06/2026

【2026年6月12日(金)第9回ゼミナール 】

 皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の関根舜です。
梅雨の湿り気と初夏の風が混じるこの頃、季節の移ろいを感じる日々となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 今回のゼミナールでは、以下の5つの内容を行いました。
1. 統合報告書プロジェクトの共生会MTG事後報告
2. 商品開発プロジェクト近況報告
3. 『日経ビジネス』の輪読
4. 『統合報告・統合思考による企業価値創造』第6章の輪読
5. 『境界で息をする』第1章、第2章を踏まえた自己形成の分析

 今回は3についてご紹介させていただきます。

◼️日本でも世界でも進む水不足
 今回のゼミでは、『日経ビジネス(2026年5月25日号)』「水が足りない 半導体・データセンターの急所、 新たな商機に」を取り上げ、輪読とディスカッションを行いました。
 今現在、日本に限らず、世界各国で水不足が共通の課題になっています。この主な原因としては、「気候変動」「水道インフラの老朽化」「半導体工場の誘致」の大きく3つが挙げられます。
 特に、半導体製造の場面では、不純物をほとんど含まない超純水(UPW)が不可欠です。半導体は、スマートフォンやAIサーバーなどに使用されており、その製造工程の3~4割が洗浄作業とされています。半導体は、わずかな汚れや金属イオンが付着するだけで、大きく製品の品質が落ちてしまうため、大量の超純水が必要になります。
 超純水の純度は極めて高く、人が飲めるミネラルウォーターでも、半導体の基準では不十分です。こうした高品質の水を大量に確保する必要があるため、半導体は水資源の依存度が非常に高い産業と言えます。更に生成AIやデータセンターの急速な需要拡大によって、この水の需要は増え続けており、世界的に水不足はますます深刻化しています。

◼️水不足を商機に、日本企業の世界進出
 このような状況下で、日本企業は水インフラ市場への参入を加速させています。日本企業は、米国の巨大水インフラ市場(2030年に約50兆円)に着目し、現地の有力企業の買収(M&A)を通じたサービスの展開を進めています。現地企業の買収を進めることで、長年の実績と信頼に重きを置く米国特有の文化に対応することができ、信頼獲得に時間をかける必要がなくなります。
 例えば、総合化学メーカーのクラレは米活性炭大手のカルゴンカーボンの買収を通じて、全米で問題化している有機フッ素化合物(PFAS)の除去する活性炭サービスを展開し、タンクの設置から回収・再生まで担う「継続型の水処理サービス」でその存在感を高めています。
 また、日本は海水淡水化技術でも世界をリードしています。圧力をかけて海水を膜に通し、塩分や不純物を取り除く膜(RO膜)では、東レや東洋紡MCらが世界シェアの半分を占め、最大市場である中東でのビジネスの展開に成功しています。更に、日本は「使用済みRO膜の再生・再販に関する国際基準」を策定し、勝ち筋を探っています。
 先述した超純水精製技術でも、野村マイクロやオルガノがシェアを拡大しており、圧倒的な技術で、価格競争を避ける戦略を進めています。

◼️住民との摩擦をどう解決するか
 国内では、従来役所が担っていた公共サービスを民間企業と一緒に運営するPPP(Public Private Partnership)が広がりつつあります。民間企業の協力により、役所では実現が難しいコスト削減や新技術導入が進んでいます。しかしその一方で、住民からは公共サービスを民間にゆだねて、監視が行き届くのかという懸念や外国企業に水が握られるのではないかという不安も同時に高まっています。
 米国ではデータセンターらが大量の水を使うことで住民に節水制限がかかり、摩擦が生じています。また、日本でも、熊本の豊富な地下水が巨大半導体企業TSMC誘致の切り札となった一方で、地域資源をどう守るかが問題になっています。
どのように経済効果と水資源保全を両立するのかが、企業・自治体・住民が向き合うべき課題となっています。

◼️感想
 今回のディスカッションでは、経済効果と水資源保全を両立するために、 企業・自治体・住民はそれぞれどのような役割を担うべきかをテーマに話し合いました。
 主な意見として、企業は使用量や水質などのデータの開示を進め、信頼性の高い組織を目指すべきという声が上がりました。自治体では企業と住民の対話の場を設ける中継の役割を担うべきだという指摘や、住民は日常生活での節水、開示された情報などから企業の監視役になるべきだという見解も見られました。
 私は、企業と自治体が住民に対し、事業内容や水不足の現状を説明し、互いの意見交流の場を設けることが必要だと感じました。そのうえで、住民が水は貴重な財産であるという理解を持つことが、経済効果と水資源保全を両立するために不可欠であると思いました。互いの主張も無視することはできないため、状況や意見を共有する機会を設けるということが摩擦を防ぐ鍵になると感じました。
 今回の記事を通じ、半導体事業やデータセンターなど、これまで「重要そうだ」と漠然と理解していた分野について、より深く知ることができました。今後も需要拡大が見込まれる業界であるため、引き続き動向を追っていきたいと思いました。

[使用した書籍]
・日経BP(2026)「水が足りない 半導体・データセンターの急所、新たな商機に」『日経ビジネス』2026年5月25日号,pp8-29.
・内山哲彦(2025)『統合報告・統合思考による企業価値創造』,中央経済社.
・蔡芢錫(2025)『境界で息をする』,新曜社.

◼️追伸
 統合報告書作成プロジェクトでお世話になっている社会福祉法人共生会の川瀬和一様より、先日の打ち合わせにて、お土産をいただきました。この場をお借りして感謝申し上げます。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

最後までご覧いただきありがとうございました。

【2026年6月7日(日)「信州美食フィエスタ in Miyota 2026」活動報告】 皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の上野由希江です。 私たちは6月7日に開催された「信州美食フィエスタ in Miyota」に出店したジャン...
10/06/2026

【2026年6月7日(日)「信州美食フィエスタ in Miyota 2026」活動報告】

 皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の上野由希江です。

 私たちは6月7日に開催された「信州美食フィエスタ in Miyota」に出店したジャンボン・ド・ヒメキ様(https://www.facebook.com/share/1ADRPF8eYS/?mibextid=LQQJ4d%29)をはじめとした「NAGANO Hams」様などの計3社の製品の販売をお手伝いさせていただきました!

⬛︎御代田と能登をつなぐ食のイベント
 今回のイベントの舞台は、長野県北佐久郡御代田町にある「MMoP(モップ)」です。地方創生の取り組みの一環として御代田産レタスを使用した「御代田バーガー」や地元の食材を活かした「御代田テイスト」の販売がなされていました。さらに、能登支援をテーマに現地からの多種多様な出店もありました。
 ジャンボン・ド・ヒメキ様のブースでは、以下のメニューを販売いたしました。
・切りたての「生ハム」
・御代田産レタスを使用した「ロールタス能登の鯖いしる仕立て」
 ※いしるとは、能登半島に古くから伝わる伝統的な「魚醤」です。
・スペイン風クリームコロッケ「クロケッタ」
 当日は、日中の14時までは曇り空が続き、15時を過ぎてから雨へと変わる中での開催となりました。肌寒い気温のため、温かい「ロールレタス」や「クロケッタ」を注文する方もいらっしゃいましたが、やはり切り立ての生ハムを食べれるということで、ワインを片手に購入されるお客様など幅広い年齢層のお客様が見られました。

⬛︎信州と能登の魅力を一皿に込めて
 信州美食フィエスタではジャンボン・ド・ヒメキ様をはじめとする2箇所の長野県内の生ハム工房のそれぞれを食べ比べできるアソートなどを販売いたしました。
 ジャンボン・ド・ヒメキ様で販売した「ロールレタス能登の鯖いしる仕立て」ではキャベツの代わりに御代田産のレタスを使用し、ヨーグルトやチーズを作る際に出る半透明の液体の乳清(ホエイ)を軸としたスープを合わせました。鯖のいしるの濃厚でコクのある旨みと乳清のまろやかな風味を掛け合わせることで、塩味の角が取れ、奥行きのある深い味わいとなります。能登と信州それぞれの地域食材を生かした一品として提供させていただきました。
 ジャンボン・ド・ヒメキ様で販売した「切り立て生ハム」は3種類あり、それぞれ異なる味わいを楽しめる商品でした。一つ目は、「信州太郎ぽーく」という豚肉で脂が甘く、塩味が強くない、ワインを飲まないお客様にも食べられます。二つ目は、「千代幻豚」で肉感と塩味が強い、お酒に一番合う生ハムです。三つ目は、「短角黒毛」の牛の生ハムです。これはサシが3つの中で最も入っているもので、口の中でとろける味わいです。ワインを嗜むお客様はもちろん普段ワインを飲まないお客様にも楽しんでいただけるラインナップとなっていました。

⬛︎イベントを通して見えた消費者ニーズ
 今回のイベントへの参加を通して、地域周辺からの参加者が多く、地域食材への関心の高さを実感しました。地産地消をテーマとした「ロールレタス」の購入理由を尋ねると、「御代田産のレタスを使った商品を食べたい」「他店舗の商品と食べ比べをしたい」といった声が多く聞かれました。このことから、消費者は商品の味だけではなく、地域食材を利用していることやイベントならではの体験価値にも魅力を感じて購入していることがわかりました。
 以上の経験から、消費者は商品に対して「地域性」や「ストーリー性」を重要視していることが実感できました。商品開発において、地域食材の魅力や食材に込められた背景をどのように伝えていくかが今後の課題となり得ると感じました。

 最後になりましたが、このような貴重な学びの場を提供してくださったジャンボン・ド・ヒメキの藤原様(https://www.facebook.com/share/1ADRPF8eYS/?mibextid=LQQJ4d%29)をはじめ、多くの関係者の皆様に大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。
 今後ともよろしくお願いいたします。

 最後までご覧いただきありがとうございました!

【2026年6月5日(金)第8回ゼミナール 】   皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の古川悠斗です。初夏の日差しが心地よく、少しずつ夏の気配を感じる季節になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。  さて、今回のゼミナールでは...
09/06/2026

【2026年6月5日(金)第8回ゼミナール 】

 皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の古川悠斗です。
初夏の日差しが心地よく、少しずつ夏の気配を感じる季節になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 さて、今回のゼミナールでは
1. イベント(マルメロマルシェ・坂城駅前葡萄酒祭)参加に関する事後報告
2. 『日経ビジネス』の輪読
3. 『統合報告・統合思考による企業価値創造』第5章の輪読
4. 『コレが欲しかった!と言われる「商品企画」のきほん』第6章の輪読
5. 『これから研究を書くひとのためのガイドブック[第2版]』第11,12章の輪読
6. 卒論報告
を行いました。
 今回は4についてご紹介させていただきます。

︎◼️ コンセプトを練り上げる
 今回のゼミでは、『コレが欲しかった!と言われる「商品企画」のきほん』第6章を扱いました。商品開発におけるコンセプトとはそもそもどういうものなのかや、コンセプト設計の重要性について学習し、ディスカッションを行いました。
 コンセプトとは直訳すると「概念」を表しますが、商品開発におけるコンセプトとは、「全体像」や「核」を表します。つまり、商品がもつ要素のうち、顧客を含む関係者に伝えるべき重要なものを表すキーワードとしての役割があります。コンセプトは「1.誰が」「2.どのようなシーンで」「3.どのような便益を感じるか」の3要素で構成されています。
 便益とは、顧客がその商品によってどんな良い体験を得られるか、感じられるかなど、顧客のニーズを喚起するものです。例えば、実際に今回扱った大塚製薬のポカリスエットを例に挙げると、便益とは単なる飲み物としての特長ではなく、「体に優しく吸収される水分・栄養補給であり、健康維持につながる」点ということになります。
 当時の清涼飲料水が「味・刺激・爽快感」を重視していた中で、ポカリスエットが「体のための飲み物」という新しいカテゴリーとして誕生し成功したように、商品がもつ多様な便益の中で、本当に消費者に喜ばれる便益を選び出し、集中してアピールすることがポイントになります。

◼️ 消費者の感情を動かす言葉とは
 今回のディスカッションテーマは、過去の本誌の輪読において各自が考案した商品などをもとにその商品のヒトコト化を作ってきた上で、消費者の感情を動かす言葉はどのようなものであるか考える、というものでした。
 ヒトコト化とは、バラバラに表現されている複雑なコンセプトの3要素を一言のキーワードとしてまとめることで、商品の便益を迅速に理解させ、消費者にも流通関係者にも浸透しやすくするための手法です。
例えば、キットカットなどを販売するネスレは、受験の験担ぎとして、キットカットが購買・消費されていることが判明すると、この現象を拡大すべく、一言で「受験生応援チョコ」というコンセプトを固めました。今や、メッセージ記入欄付きのパックや紅白パックなど、関連商品が多数販売され、購入されています。
 意見交換では、消費者の感情を動かす言葉は、「消費者が自分のことだと感じられる言葉」や「日常や気分に近く、具体的な使用シーンが思い浮かぶ言葉」だという意見などが出ました。また、特に使用シーンが想像しにくいような目新しい商品に関しては、その馴染みの薄い要素を、消費者の分かりやすい言葉で端的にまとめて表すことのできるワードセンスが必要という意見もありました。
 せっかくターゲットを絞っているからこそ、そのターゲットが日常のどういう場面でどういう行動をするのかを細部まで想像し、アプローチできる点を探すことが、コンセプト設計における重要な点だと感じました。

◼️ 感想
 私は現在、商品開発プロジェクトにて活動しており、生ハムの端材を用いた商品開発を進めております。そもそも生ハムの端材を用いた商品は、日常的に食べられているようなものでないことに加え、想定する商品の中には、珍しいものや目新しいものを参考に案を練っているものもあります。
 先ほどのディスカッションテーマとも関わりますが、消費者にとって珍しい商品の使用シーンを上手く想像させながらアピールすることは難しい作業になります。スーパーで関連商品がどのような方に購入されているのか市場調査などをすることで、よりターゲットの解像度を上げ、その人の日常に根差した満足や不満を明確に想像し、集中してアピールする点を設定する必要があると感じました。また、いずれはパッケージやネーミングを考えるときが来ると思います。特に、ネーミングと異なり簡単に替えの利かないパッケージについては、今回学習したことを踏まえ、その商品ジャンルに馴染みのない人にとっても使用方法が想像しやすいような、パッケージに載せる文言やイラストを効果的に作成していきたいです。

◼️ 追伸
 私は先月末に長野県長和町の「道の駅 マルメロの駅ながと」で行われた「マルメロマルシェ」に参加してきました。そこでいただいたジェラートがとても美味しかったです!写真を見て、ぜひ何味か想像してみてください。

 最後までご覧いただきありがとうございました。

[使用した書籍]
・日経BP(2026)「カリスマ暴走 ニデックが残した教訓」『日経ビジネス』2026年5月18日号,pp.8-29.
・内山哲彦(2025)『統合報告・統合思考による企業価値創造』,中央経済社.
・末吉孝生(2014)『コレが欲しかった!と言われる「商品企画」のきほん』,翔泳社.
・佐渡島紗織・吉野亜矢子(2021)『これから研究を書くひとのためのガイドブック[第2版]』,ひつじ書房.

【2026年6月7日(日)『第6回 信州美食フィエスタin Miyota』に参加します!】  皆さんこんにちは!専修大学経営学部岩田ゼミナール3年の小栁妃那汰です! この度、2026年6月7日(日)10:00~16:00、長野県御代田町にあ...
05/06/2026

【2026年6月7日(日)『第6回 信州美食フィエスタin Miyota』に参加します!】

 皆さんこんにちは!専修大学経営学部岩田ゼミナール3年の小栁妃那汰です!

 この度、2026年6月7日(日)10:00~16:00、長野県御代田町にあるMMoP(モップ)にて、第6回目となる『信州美食フィエスタin Miyota』が開催されます!

 このイベントは、軽井沢ガストロノミープロジェクト主催のスペインの文化を中心とした「食」をテーマにした地域活性化プロジェクトです。

 軽井沢ガストロノミー主宰を務めるスペイン料理研究家の渡辺万里様は、2017年から『美食マルシェ』などを通して、地域の魅力を食文化と結びつけながら発信し続けていらっしゃいます。今回のイベントも、渡辺様の長年にわたる地方創生への取り組みの一環として開催されます。
 
 岩田ゼミナールでは昨年に引き続き、地方創生の取り組みとして『信州美食フィエスタin Miyota』に参加いたします! 今回は「NAGANO Hams」のブースにて、産学連携先であるジャンボン・ド・ヒメキ様(https://www.facebook.com/share/18bZ3Fpvga/?mibextid=wwXIfr )の商品販売をお手伝いさせていただきます。当日は生ハムのアソートをはじめとした各種製品を販売予定です。

⬛︎イベントの魅力
1,御代田で、ここだけの「美味しい」を見つけよう!
 御代田産レタスを使用した「御代田バーガー」をはじめ、地元の食材を活かしたグルメ「御代田テイスト」が登場!長野県内外から集まるキッチンカーフードや、新鮮な農産物、お菓子などが並ぶマルシェなど、多彩なグルメを心ゆくまで楽しむことが出来ます。

2,大人も子どもも夢中になれる、みんなで楽しむ地域イベント!
 能登支援をテーマに現地からの出店を迎える「能登広場」や、ボードゲームに加えてフィンランド発祥のスポーツであるモルックを体験できる「ピクニック広場」は、お子様連れのファミリー層も一緒に楽しむことができます。さらに、紙芝居やフラメンコのステージなど、一日中楽しめる内容になっています。

3,プロから学ぶ、特別な“おいしい体験”(要予約)
 パティシエから学ぶクレープ作りや話題の水キムチ作りを体験できる「とっておきクッキングクラス」に加え、信州のワインとチーズを学びながら優雅に味わう「ランチ&プチセミナー」の二つの特別なセミナー(要予約)を開催します。プロの技や知識に触れながら、美味しく有意義な時間を堪能することができます。

⬛︎イベントへの意気込み
 来場者の皆様との会話を楽しみ、信州の魅力を肌で感じながら、イベントに貢献したいと思います。販売の現場だからこそ得られる気づきや学ぶ姿勢を大切に、精一杯取り組んでいきたいと思います。

 信州の春の「美味しい」と「楽しい」がギュッと詰まった特別なイベントです!皆様のご来場を、心よりお待ちしております!

イベントの詳細はこちらをご覧ください↓
https://karuizawa-gastronomy.com/2026/05/20/bishokufiesta/

画像3・4枚目は昨年の美食フェスタの様子です。

【2026年5月30.31日(土.日)「マルメロ・マルシェ2026」& 5月31日(日)「坂城駅前葡萄酒祭2026」活動報告】 皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の久高麻想です。 私たちは5月30.31日(土.日)に開催された「マ...
04/06/2026

【2026年5月30.31日(土.日)「マルメロ・マルシェ2026」& 5月31日(日)「坂城駅前葡萄酒祭2026」活動報告】

 皆さんこんにちは!専修大学岩田ゼミナール3年の久高麻想です。

 私たちは5月30.31日(土.日)に開催された「マルメロ・マルシェ2026」に出店した、「ジャンボン・ド・ヒメキ」様(https://www.facebook.com/share/1ADRPF8eYS/?mibextid=LQQJ4d)のブースのお手伝いをさせていただきました。
5月31日(日)に開催された「坂城駅前葡萄酒祭2026」ではジャンボン・ド・ヒメキ様を始めとしたAs Neco Ham様などの計5社の製品の販売をお手伝いさせていただきました。

⬛︎長和町のおいしいとつながり
 2日間に渡って開催されたマルメロ・マルシェでは長和町の食材を活かしたグルメが数多く並び、2日目には音楽ライブも開催されるなど、終始賑わいを見せていました。
ジャンボン・ド・ヒメキ様のブースでは、長和町産アスパラガスや山菜を使用した豚トロハムのオープンサンド「タルティーヌ」、クリームコロッケ「クロケッタ」、ミートソースとポテトのグラタン「アッシ・パルマンティエ」などを販売いたしました。
 当日は快晴に恵まれ、会場内で販売されている冷たい飲み物とともに、旬のアスパラガスを使用したタルティーヌを注文される方が多く見られました。来場者の皆様が食や音楽を通して長和町の魅力を満喫している様子が印象的でした。

⬛︎信州のワイン文化を味わう一日
 坂城駅前葡萄酒祭ではジャンボン・ド・ヒメキ様とAs Neco Ham様の製品に加え、As Neco Ham様と3箇所の長野県内の生ハム工房のそれぞれを食べ比べられるアソートなどを販売いたしました。
 イベント会場内はとても活気に溢れており、来場者の皆様方はワインを片手にご友人やご家族とフードを楽しんでいました。
 ワインが主役のイベントということもあり、ジャンボン・ド・ヒメキ様のアソートは昼頃までには完売し、4つの生ハム工房のアソートも完売しました。生ハムがお好きなお客様やあまり食べないお客様にも興味を持っていただき、多くの方々に手に取っていただけました。

⬛︎現場での観察や対話から見えてきたこと
 今回のイベントへの参加を通して、商品の魅力だけでなく、「どこで、誰に、どのような環境で販売するか」の重要性を改めて実感しました。
 マルメロ・マルシェでは、出店者同士や知人同士のつながりの中で商品が購入される場面が見られ、地域コミュニティの結びつきの強さを感じました。一方で、ジャンボン・ド・ヒメキを経営されている藤原様とのお話やイベントでの活動を通して、ジャンボン・ド・ヒメキ様のような商品は地域内で親しまれるだけでなく、地域の外へ向けて魅力を発信していくことも重要であると学びました。

 また、道の駅マルメロの駅ながと内にある直売所「マルシェ黒耀」ではジャンボン・ド・ヒメキ様の商品も販売されています。実際に売り場を観察すると、地域の特産品として認識されている様子がうかがえました。その一方で、イベント来場者へマルシェ黒耀での販売を案内すると興味を持ってくださる方もおり、イベントが認知拡大だけでなく、その後の来店や購入につながる可能性も感じました。
 さらに、坂城駅前葡萄酒祭では生ハムアソートが完売し、道の駅での販売時とは異なる反応が見られました。この経験から、商品そのものだけでなく、イベントの特徴や来場者ニーズとの相性が売上に大きく影響することを学ぶことができました。

 今回の活動を通して、商品の販売方法や市場環境について理解を深めるだけでなく、長和町の人々や地域コミュニティの温かさにも触れることができ、楽しみながらも学ぶことの多い充実した2日間を過ごすことができました!

 最後になりましたが、このような貴重な学びの場を提供してくださったジャンボン・ド・ヒメキの藤原様(https://www.facebook.com/share/1UhrHpZ1dx/?mibextid=LQQJ4d)をはじめ、多くの関係者の皆様に大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。
今後ともよろしくお願いいたします。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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