04/09/2026
【研究室の活動】
小倉貴久子さん(フォルテピアノ)の来月10月6日のこの公演に協力しています。
https://www.mdf-ks.com/concerts/mondo18/
フリデリク・ショパン(1810-49)のポーランド時代(-1830)の楽曲が、彼がワルシャワで使っていたヴィーンのタイプのピアノで演奏されます。それでこの公演の最後に、《ピアノ協奏曲 ホ短調》が演奏されるのですが、使用楽譜はこの春以来ここ
https://hit-u.repo.nii.ac.jp/records/2061537
で公開しているものです(今後さらに改訂します)。
詳細はその楽譜が「添付資料」となっている論文にあるとおりですが、ショパンの時代(以前)、ピアノ協奏曲はオーケストラ付きでも、数人の小編成(主に4声)付きでも演奏可能でした。4「声」というのはヴァイオリン1、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロですが、それは4「人」とは限りません。ヴァイオリンはそれぞれ複数だった可能性があり、そもそも最低声部にはチェロだけでなくコントラバスの声部が印刷されていたりして、人数に関してはかなりファジーに、「カルテット」の語が使われていました。ショパンの作品11は4声ではなく5声(クインテット)付きの可能性を明示している珍しい例です。そこになにかはっきりとした意図があったのか、そもそもそれが最終的にショパンの意志に基づく表示なのかは不明ですが、この曲の場合、チェロとコントラバスを別々のパート譜として印刷する理由は現実的に明確でした。チェロのパートに音が多いのです。ただでさえチェロに多くの重要な役割が振られているうえに、このフォーメーションには参加しない管楽器、たとえばファゴットの旋律も引き受けるため、(「カルテット」編成の場合のように)コントラバスとひとまとめのパート譜を作るのは困難というか、非合理的です。そこからわかるのは、ショパンの作品11が、少なくとも当時のピアノ協奏曲のなかでは、オーケストラの中低声部が厚い音楽だったということです。当日は若松夏美さん(ヴァイオリン)のリーダーシップのもと、チェロ(島根朋史さん)を中心にヴィオラやコントラバスが、いろいろないい仕事をします。ピリオド楽器の名手たち、小倉さんたち6人の演奏ご期待ください。
シリーズコンサート