17/03/2026
【報告】日本教育工学会2026年春季全国大会(第48回大会)での研究発表📚
大阪大学教育学習支援部です🌸
このたび、当部の教員が、日本教育工学会2026年春季全国大会(第48回大会)において、2件の研究発表を行いました。
今回の発表では、大学教員養成に関わる実践的な取り組みと、教育データ利活用をめぐる今日的な課題という、いずれも高等教育の質向上に深く関わるテーマについてご報告しました。
■ 発表①:「プレFDにおける『教育の抱負』評価のためのルーブリック作成と試行」
発表者:梶原久梨子、田尾俊輔(大阪大学)、根岸千悠(京都外国語大学/大阪大学全学教育推進機構招へい教員)、金賢眞、村上正行
※発表者のうち村上正行・梶原久梨子・金賢眞は当部教員です。
本発表では、大学教員を目指す大学院生等を対象としたプレFDプログラムにおいて、「教育の抱負(Teaching Philosophy Statement)」をどのように評価するかを検討しました。フィードバックコメントの分析をもとに評価観点を整理し、ルーブリックの作成と試行を行った結果、評価の共有が進む一方で、応募先大学との適合性に関する判断には揺れが生じやすいことが明らかになりました。
■ 発表②:「教育データ利活用に関するELSIの実践的課題」
発表者:村上正行、梶原久梨子、田中俊成・志儀孝典(内田洋行教育総合研究所)、緒方広明(京都大学)
学習データの活用が進む中、その倫理的・法的・社会的側面(ELSI)への対応は、教育現場にとって避けて通れない課題です。本発表では、LEAFシステムを活用している教育機関へのヒアリング調査を通じて、同意手続きや教職員研修、データ保存期間、著作権といった具体的な課題を整理しました。そのうえで、説明動画や研修教材の整備、保存期間や著作権に関する実践現場に即した対応策の必要性が示されました。
■ 発表③:自主企画セッション「先端的科学技術のELSIを踏まえたこれからの教育工学研究の実践と教育」
発表者:後藤 崇志(大阪大学)、加納 圭(滋賀大学)、村上 正行、 稲葉 利江子(東京科学大学)、岩﨑 千晶(関西大学)
このセッションでは、科学技術を教育に活用することの倫理的・法的・社会的課題(ELSI)において、各国のケーススタディや法的・倫理的観点からの議論、社会受容に関する調査などから見出されたELSI論点を紹介するととも、それらの論点を踏まえたこれからの教育工学研究の実践と教育を議論しました。
教育学習支援部では、プログラムの改善・評価から教育データの倫理的利用まで、高等教育の現場に根ざした研究を幅広く推進しています。
今後も国内外の学術コミュニティへの発信を続けてまいります 🌱
(執筆者:長岡徹郎)